1.身近な自然の観察
(6)天文現象・自然現象・暦
(500)星空観察を楽しもう!
「色づいていた葉っぱも落ち始めたね。」
「そうだね。虫もいなくなってきたぞ。」
「つまんないなー。つまんないなー。」
「そんなことないよ。冬の夜空を見上げてごらん。すばらしいよ。」
「冬の夜空・・・? 星ですか。」
「ピンポーン。冬は星がきれいなんだ。」
「どうして冬は星がきれいなんですか。」
「いろいろな理由があるけどね,まず,冬は明るい星が多いのさ。」
「星にも明るさのちがいがあるんですね。」
「そうだよ。明るい星から順番に1等星,2等星,3等星とあるんだ。それで,東京では一年間に15個の1等星が見えるんだけど,冬はその半分の7つも1等星が見えるので,それで明るくにぎやかなのさ。」
「なーるほど。そういうことですか。冬は1等星が多いということは分かったけど,ほかの季節はどうなんですか。」
「春は3つ,夏は4つ,秋は1つしか1等星が見えないんだよ。」
「明るい星がにぎやかだから,冬は夜空がきれいなんですね。」
「そうだね。それから,冬はシーイングといって,星がはっきりと見えるのさ。水蒸気が少なく,よく乾燥していて,風もあり,塵などもふき飛んでしまうからなんだ。」
「なーるほど。そうなんですか。」
「さらに,日の入りが早く,日の出がおそいだろう。ということで,夜の時間が長いということも星がよく見える理由なんだよ。」
「夜が長いと星がよく見えるというのが,いまいちよく分からないのですが。」
「それはね,日が暮れても空には残照というものがあり,あたりが暗くなっても,実際にはかなり明るく,本当に暗くなるのは真夜中だといわれているのさ。」
「なるほど。そういうことですか。少し分かったような気がします。」
「ところで,モンタ博士。おいらのおうちの近くは,街灯がたくさんあって,星があまりよく見えないんですが。」
「そういうときにはね,手で光をさえぎるようにするといいんだよ。それだけで星の見え方がすごくちがうんだ。」
「なるほど。よく分かりました。これからは手で光をさえぎるようにします。」
「モンタ博士,それでもあまりよく見えないときがあったらどうするのですか。」
「そうだね。そういうときには,お外に出て5~6分,暗さになれるといいんだよ。そうすると,またまたよく見えるよ。これは本当だよ。」
「よく分かりました。早く夜にならないかな。夜が楽しみだな。」
「それからね,夜の7時と9時と2回に分けて見ると,星の動きや地球が自転している様子も分かるから,なおさら楽しいと思うよ。さらに今週あたりは,月があまり明るくならないから,チャンスだ。このお話はまた今度ね。」