トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (1)動物どうぶつ生殖せいしょく
(464)アオムシコマユバチ
写真
3年生男1
「モンタ博士はかせ! たいへん,たいへんです。」

「どうかしたの?」
モンタ博士

3年生男1
「あのね,ぼくたちアオムシをね,つまり,モンシロチョウの幼虫ようちゅう一生懸命いっしょうけんめいそだてていたんです。」

「なるほど,なるほど。それで・・・。」
モンタ博士

3年生男1
「そしたらね,なんと,ちいさなむしてきて,いつのまにか写真しゃしんのようなまゆになってしまったの。」

「なーるほど。それはアオムシコマユバチという寄生蜂きせいばちだ。」
モンタ博士

3年生男1
「アオムシコマユバチ? はじめて名前なまえくハチですね。」

3年生女1
寄生きせいばち? どんなハチなんですか。」

「アオムシコマユバチのメスばちがモンシロチョウの幼虫ようちゅうにたまごをみつけて,モンシロチョウの幼虫に寄生きせい生物せいぶつがほかの生物から養分ようぶんをうばって生活せいかつすること)するから寄生蜂きせいばちというんだよ。」
モンタ博士

3年生女1
みつけられたたまごは,そのあとどうなるのですか。」

「たまごからかえったハチの幼虫ようちゅうは,モンシロチョウの幼虫のからだべながら,つまり,養分ようぶんりながらおおきくなっていくんだ。」
モンタ博士

3年生女1
「モンシロチョウの幼虫ようちゅうなないのですか。」

「モンシロチョウがんでしまったら,ハチの幼虫ようちゅうも死んでしまうだろう。そこで,ハチの幼虫は死なない程度ていどにモンシロチョウの幼虫をかしながら養分ようぶんをとっていき,おおきくなるんだ。」
モンタ博士

3年生女1
寄生きせいされたモンシロチョウは,もうさなぎになったり,成虫せいちゅうになったりできないのですか。チョウにはなれないのですか。」

「そのとおりだ。チョウにはなれない。」
モンタ博士

3年生女1
「そんなの,ちょっとずるいかんじがしますが・・・。」

「そうともいえないんだ。う・食われるのが生物界せいぶつかいのすがたなんだよ。ヘビとカエルのときおなじで,生物はみんな,ものどうしでそのようにつながっているんだ。もし寄生きせいばちが寄生しなかったら,モンシロチョウだらけになってしまうんだ。」
モンタ博士

3年生男1
「そうか,ハチが寄生きせいすることで,生物界せいぶつかいのバランスをとっているということですね。ヘビとカエルの関係かんけいおなじなのですね。」

3年生女1
「モンシロチョウは,どのくらい寄生きせいされているのですか。」

「いろいろな研究者けんきゅうしゃ調しらべた結果けっか,100ぴき幼虫ようちゅうのうち,成虫せいちゅうまでなるのは数匹すうひきなんだ。あるほんには2パーセント,つまり100匹のうち2ひきという報告ほうこくもあるよ。」
モンタ博士

3年生男1
「そうなんだ。それじゃ,ほとんどの青虫あおむしはモンシロチョウになれないの。」

3年生女1
「それじゃ,どうすればいいんですか。モンタ博士はかせ!」

幼虫ようちゅうには,寄生きせいばちがたまごをんでしまうけど,たまごには寄生できない。だから,たまごのときからそだてれば,ぜったいにうまくいくよ。まちがいなしだ。」
モンタ博士

   てくてく自然散歩シリーズ
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