1.身近な自然の観察
(4)生物と日本人のかかわり
(463)学名について 2
「あ! これは,ノイバラだよね。」
「うわあー。オー君すごい! 植物の名前もしっかりと覚えたのね。」
「何度も見ていたから,覚えちゃったんだよ。」
「そうだね。何度も見ていると,自然に覚えてしまうものさ。ところで,ノイバラのことを『ローザ マルチフローラ』ともいうんだけど,知っているかな。」
「え! 『ロザ マルイオフロ?』なんだそりゃ?」
「ちがうよ。『ローザ マルチフローラ』(Rosa multiflora)だよ。」
「それって,ひょっとして『学名』ですか。」
「お! さすが,花ちゃん。よく知っているね。感心,感心。」
「なんだよ。『がくめい』というのは・・・? おいらにも教えてくれよ。」
「植物や昆虫,動物など,あちこちいろいろな国があって,それぞれの国で名前がついているでしょ。それだと,研究する時に,とてもこまるので,世界共通の名前があるの。それを学名というのですね。モンタ博士!」
「おどろいたね。よく知っているね。そのとおりだよ。ノイバラというのは,日本の名前なので,『和名』ともいうけどね,学名では,『ローザ マルチフローラ』というのさ。ほかに,方言名とか,俗名とかいうのもあるんだ。」
「方言名? 俗名? ・・・わたし,知らないですけど・・・。」
「方言名とは,それぞれの地方でのよび名なんだ。ヒガンバナには,マンジュシャゲとかハミズハナミズなど,1023個も方言名があるんだよ。また,ヒメジョオンやハルジオンのことをビンボウグサとかいうけど,それは俗名といって,一般的にいわれている名前なのさ。」
「へえー。そういうことなんですか。ところで,さっきの『ロザ マルイオフロ』じゃなかった『ローザ マルチフローラ』っていう英語には,どんな意味があるのですか。」
「ローザとは,ローズというあざやかな色という意味で,マルチはたくさん,フローラとは花ということさ。それから,学名は,英語ではなくて,ラテン語なんだよ。」
「え! ラテン語? なんだそりゃ?」
「昔の言葉で,今では使われていない言葉なんだ。どうしてかというと,説明がむずかしくなるからカットするけどね。まあ,和名といっしょに学名も覚えちゃいな。校長室に『植物学ラテン語辞典』があるから見せてもらうといいよ。」
「かしてくれるのですか。今度ぜひ,見させてください。」
「OK。おまけのお話だけど,カブトムシは,Allomyrina dichotoma linnaeus(アロミリナ ヂィコトーマ リンネウス)。アゲハチョウは,Papillio xuthusu linnaeusu(パピリオ クスウス リンネウス)というんだよ。」