3.動物の世界
(7)ハチ・チョウ・ガ以外の昆虫のなかま
(437)カマキリのたまご(卵のう)
「モンタ博士! カマキリがたまごを産みました。」
「ほほー,それはすごい。たまごを見つけたことは何度もあるけど,飼育箱の中に産んだというのは初めてだよ。みんなでくわしく観察しようね。」
「モンタ博士! カマキリのたまごってちょっと変わっていますね。」
「『スポンジ』みたいになっているけど,どうしてなのかな。」
「それはいいことに気がついたね。これからは寒くなるけど,この『スポンジ』みたいな中にたまごがあると,きっと寒くないんだよ。」
「ふーん,そうなんだ。それから,どうして『うすちゃ色』しているの。」
「またいいことに気がついたね。寒くなってきて,緑色の葉っぱなどがかれてきたでしょ。それと同じような色のほうが目立たなくて,見つけられにくいからなんじゃないかな。」
「ふーん。そうなんだ。この中にたまごがいくつくらい入っているのかな。」
「ぼく,知ってるよ。100個から200個くらいあるんだ。」
「ふーん,そうなんだ。ところで,このまま教室に置いといたらどうなるかな。」
「教室はあったかいから,赤ちゃんがうまれてくるかもね。」
「赤ちゃんがうまれてきたらうれしいね。」
「でも,これから冬になっていくのに,赤ちゃんカマキリがうまれてきてもエサはどうなるのさ。それから寒くて生きていけないんじゃないかな。」
「カマキリって,生きている小さな虫とか食べるんでしょう。」
「寒くなると小さな虫はいなくなるよ。エサがなくては生きていけないよ。」
「このまま教室に置いとくよりも,廊下に置いていたほうがいいんだ。」
「そうだね。国立七小のみんなが見えるように廊下に置いて観察しよう。」
「そうだ。みんなで観察しよう。」
「ところで,いつになったらカマキリの赤ちゃんはうまれてくるんだろうね。」
「春になりあたたかくなって,小さな虫たちが動き始めてからじゃないかな。」
「春といってもいつなんだろう。4月かな,5月かな,6月かな。」
「ふーむ。いつなのかな。分かんないなあ。」
「そうだ。それでは,みんなで『カマキリの赤ちゃんがいつうまれるか?』クイズをやってみようか。」
「え? 『カマキリの赤ちゃんがいつうまれるか』クイズ? 楽しそうですね。」
「そうだよ。クイズだよ。何月何日にカマキリの赤ちゃんがうまれてくるかをみんなで当てるのさ。」
「うわあー。おもしろそうですね。」
「ぴったり当てたらすごいですね。」
「1年1組の前にクイズに答えるための紙を用意したから,みんなで当てっこしよう。ただし,一人1枚だけだよ。名前もちゃんと書いてくださいね。」
「よーし。ぴったり当てるぞ。」
「何だかわくわくドキドキしてきましたね。」
「カマキリの赤ちゃんがいつ出てくるか。みんなでよーく観察してください。」
カマキリのたまごの秘密
カマキリの卵のことを正しくは卵鞘とか卵嚢と言います。これからの冬枯れの季節にはとても見つけやすくなります。寒くなり生き物の姿があまり見かけられない時期でも,それなりに自然観察の面白さを味わうことはできるものです。生き物たちが生ある姿を潜めている様子や,かつて生き物が生活していた姿を留めているものなども冬の観察の面白さだと思います。
昆虫の越冬は,種類によって卵であったり,さなぎとか成虫とか様々です。カマキリの仲間は関東地方では10月から11月頃に産卵し,翌年の4月から5月頃に幼虫が孵化します。メスの栄養状態や気象条件などに産卵は影響されて産む回数や大きさなどはいろいろだそうです。卵を産む場所は,オオカマキリは枯れた植物の茎,ハラビロカマキリは木の幹や枝などに多く,コカマキリは建物の壁などのようです。なお,日本には10種類程のカマキリがいます。『カマキリのすべて』という本は,日本で一番詳しく書かれているカマキリの本です。校長室にありますので,見たい人は借りに来てください。