3.動物の世界
(7)ハチ・チョウ・ガ以外の昆虫のなかま
(435)カブトムシのなかまいろいろ
「カブトムシやクワガタムシなどを『甲虫』というんだけど,知っていたかな。」
「もちろんですよ。かたい甲羅をもっているからですね。」
「そのとおりだね。それから,前の羽が刀の鞘のようにかたくできているので,むずかしい言葉で『鞘翅目』ともいうんだよ。このなかまは,昆虫の中でも,もっとも種類が多くて,昆虫界の王様だね。」
「どんななかまがいるのですか。どんなところで生活しているのですか。」
「まず,水の中にすんでいる甲虫がいるね。ゲンゴロウやミズスマシなどさ。」
「体のあちこちに空気をため,時々は水面に出てきて空気を取り入れたり,いろいろと工夫しているみたいですよ。」
「木にすんでいる甲虫もいるよ。タマムシやカミキリムシなどさ。このなかまは,成虫になる時に大きな穴を開けて外に出てくるんだよ。」
「葉っぱにすんでいるオトシブミや,キノコにすんでいるキノコムシやゴミムシダマシなどもいるんですよね。モンタ博士!」
「そうだね。オトシブミは葉を食べたり,すみかにするんだ。葉でゆりかごを作りたまごを産むんだよ。それはそれはおもしろいことをするんだ。」
「木の実の中にすむゾウムシのなかまもいるんだよ。」
「ずうっと前にもお話ししたけど,ドングリの中にたまごを産むクリシギゾウムシやハイイロチョッキリなどもいるのさ。」
「もちろん,花の蜜や花粉を食べるのもいろいろとたくさんいるんだよ。」
「春から夏に咲く花には,ハナムグリをはじめ,いろいろな甲虫がやってくるんだ。」
「それから,カタツムリを食べるマイマイカブリや小さな虫を食べるオサムシや,アブラムシを食べるテントウムシなんかもみんな甲虫なのさ。自分が食うか食われるか,みんな大変な思いで生活しているんだ。」
「ハンミョウの幼虫は,穴の中にかくれていて,通りかかる小さな動物を穴に引っぱりこんで食べてしまうのさ。」
「オサムシは。空を飛ぶことができない虫で,地表をはい回りながら小さな動物をとらえて食べてしまうんだ。」
「それから,シデムシやコガネムシのなかまは,動物の死がいやくさったものを食べるやつもいるんだよ。」
「こいつらは,森や野原のおそうじ屋さんみたいなものなんだ。」
「カツオブシムシなんてやつは,野外では動物の死体や鳥の羽を食べるが,人間の生活に入りこんだものは,毛糸のセーターや毛皮なども食べてしまうんだからおどろきだね。」
「いろいろとおどろくことがいっぱいだけど,まだいるんだ。さらにおどろくことに,フンコロガシといって,ウンチ,つまりふんの中にすんでいるやつもいるんだ。『ふん虫』と呼ばれるコガネムシのなかまは,動物のふんの中にすんでいるんだ。」
「ウンチ,つまり『ふん』だって,とっても大切な食べ物ということだね。」
「へえー,おどろきました。甲虫という昆虫の世界には,いろいろな生き物がいるんですね。とってもお勉強になりました。これからも,いろいろな虫をじっくりていねいに観察していきまーす。」