3.動物の世界
(2)動物の体のつくりとはたらき
(429)昆虫の羽
「モンタ博士! けっこう前だけど,『昆虫の足』についてのお話は,とっても楽しかったです。」
「そうですね。とてもためになり,勉強になりました。」
「そこで,今回はオー君と花ちゃんで『昆虫の羽』について考えたり,調べたりしました。」
「ほほー,それはすばらしいね。楽しみだ!」
「まず,ぼくたちは,トンボの羽について考えてみました。」
「考えるということで,トンボをじっくりと見たり,よーく観察しました。」
「それで,それで・・・。」
「それで,発見したり気がついたりしたのですが,トンボの羽はほとんどみんな,透明であること,それからうすくできていて,さらに網戸のように網目があることなどが分かりました。」
「透明であることにより,敵の鳥などに見つかりにくくなり,うすくできていることにより,軽くて動かしやすく速くとべて獲物をつかまえやすくなり,網目があることにより,羽がじょうぶになるのではないかと考えたわけです。」
「つまり,トンボの羽は,トンボの生活のしかたにとても関係があるということが分かりました。」
「ほほー,なるほど。それはすばらしい!」
「それから,チョウやガについてですが,羽には大きくてかたい筋があることが分かりました。」
「チョウやガの羽は他の虫をつかまえるためではなく,花の蜜を吸ったりするためにあちこち飛ぶのが目的で,速く飛ぶ必要はないんです。」
「ひらひらと飛ぶためには大きな羽のほうが便利なんだと思ったわけです。」
「それから,チョウやガは,飛ぶためだけでなく,羽に模様などをつけて,敵に見つかった時,羽を開くことで相手をおどろかすこともするんです。」
「それから,私たちは,カブトムシやカナブンの羽を観察しました。」
「これらの虫は甲虫といって,かたい甲羅のような羽をもっています。」
「前の羽はとてもかたくて,鳥とかにつっつかれても平気なんです。甲羅のような羽がガードしてくれるんです。」
「さらに,後ろの羽はうすくて,この羽を動かして飛ぶことができるんです。」
「つまり,かたい前羽は,浮力といって浮いたり,方向を決めたりするものであり,後ろ羽は活発にものすごく速く動き,飛ぶ推進力になっているということが分かりました。」
「いろいろなことが分かってきて,とっても楽しいね。」
「それから,秋は鳴く虫の季節だけど,羽をこすり合わせて音を出すことも羽の役目でもあるんです。それがコオロギやスズムシなどの虫です。」
「羽をこすり合わせて音を出すのは,オスだけで,メスへのラブコールとかもあるそうで,とてもおもしろいと思いました。」
「おまけのお話ですが,セミも鳴きますが,これはおなかがふくらんでいて,タイコみたいにして音を出すそうです。だから,オスとメスでは体のつくりがちょっとちがうんです。」
「なーるほどね。いろいろなことを教えてくれてありがとう。つまり,虫にはいろいろな虫がいるけれど,羽を見ると,その虫のいる場所や,生活のしかたも分かるということですね。これからも自分たちでいろいろ調べてみようね。」