3.動物の世界
(2)動物の体のつくりとはたらき
(424)昆虫の足のひみつ その2
「モンタ博士! クワガタを見てください。」
「ほほー。これはコクワガタかな,いやいや,これはヒラタクワガタだね。」
「わたしたちが見つけたんです。それで,見てもらおうと思って持ってきたんです。」
「それはうれしいね。それじゃ,今日はクワガタをよーく観察してみよう。まず,クワガタを取り出してみよう・・・。」
「あ! いたい! いたい! クワガタって,つめがとてもいたいですね。」
「ほ! 今なんていったの? つめがいたい? それでは,どうなっているかみんなで見てみよう!」
「クワガタの足にはギザギザがいっぱいあるし,先はフックのようになってる。」
「そのとおりだね。どうしてフックみたいになっているのかな。」
「クワガタは木に登るから,フックみたいなつめがあるんだ。」
「そのとおりだね。チョウはどうかな。」
「ギザギザもないし,フックもないです。」
「チョウは,体が軽いし,花にとまるだけだから,そんなものいらないのさ。昆虫の体ってうまくできているね。それじゃ,ついでにバッタの足はどうかな。」
「うーん。バッタの後ろ足って,めちゃくちゃ曲がっていますね。」
「では,どうしてそんなに曲がっているのかを考えてごらんよ。」
「ふーむ。むずかしいなあ。どうしてかな。」
「そうだね。それでは,自分がジャンプするとき,どうするかを考えてみてごらん。ひざっこぞうをどうする?」
「そうですね。ひざっこぞうを曲げます。その方が高く遠くへとべるもん。」
「ひざっこぞうを曲げるということは,足を三角にするということだ。でも,どうしてバッタなどはそんなことをするのだろうね。」
「どうしてかなあ? バッタは,とびっこをして楽しんでいるのかな。」
「とびっこして記録を出したりするのは,オリンピックみたいですね。」
「バッタのオリンピックなんてこと聞いたことがないよ。」
「ちょっとむずかしいけど,バッタはなぜ生きているのかを考えてごらん。」
「ふーん。むずかしいなあ。ひょっとして,仲間をふやすためかな。」
「そのとおりさ。でも,だれかにつかまって食べられちゃったりするね。」
「そうか! 鳥とかに見つかったら食べられちゃうね。」
「そうか! 見つかっても遠くへとんで,すぐに逃げられるためなんだ。」
「よく気がついたね。そのとおりだね。ここでおもしろいお話をしてあげよう。それはね,バッタはどのくらいとぶかということさ。」
「バッタはとても高く遠くへとびますね。」
「それをね,人間とくらべて考えてみよう。ここに3センチのバッタがいたとしよう。そのバッタが60センチとんだとしよう。本当のバッタはもっと遠くへとぶかもしれないけど,3センチのバッタが60センチだろう。体の大きさの20倍とぶということはすごいね。1mの子供だったら,20mもとんでしまうわけだ。こりゃオリンピックに出たら,新記録まちがいなしだよ。」
「へえー。すごいな。バッタってすごいな。虫ってすごいんだな。」
「虫の足がどうなっているか。みんな形にはわけがあるんだ。それから,バッタはだいたいが緑色をしているだろう。これも敵から見つからないためさ。つまり,虫の色にもいろいろなわけがあるということだね。」