3.動物の世界
(7)ハチ・チョウ・ガ以外の昆虫のなかま
(422)バナナムシ(ツマグロオオヨコバイ)
「あ! これはバナナムシですね。」
「ピンポーン。正しくはツマグロオオヨコバイという名前なんだよ。」
「さすがは,オー君。よく知っているね。」
「ところで,モンタ博士! このバナナムシはどうしたのですか。」
「これはね,1年2組のHさんが生活科の時間に,裏庭で見つけたそうなんだ。自分でつかまえてうれしかったので,見せにきてくれたんだよ。」
「春に見つけたバッタたちも,夏の間に大きくなっているね。また,みんなで裏庭に虫さがしに行きたいな。」
「そうだね。またみんなで休み時間に裏庭たんけんをしようね。」
「それは楽しみですね。ところで,どうしてバナナムシといったり,ツマグロオオヨコバイというのですか。」
「そうだね。今日は,オー君にいろいろと教えてもらおう!」
「まかせとけ! まず,バナナムシというのはあだ名みたいなものだね。体全体が黄緑色をしているだろう。だからそのように呼ばれているんだよ。上の写真は羽の先が黒いだろう。これはオスなんだ。メスは黄緑色一色かちょっと褐色になるくらいなんだ。」
「へえー。そうなんだ。それでは,ツマグロオオヨコバイというのは,どうしてつけられたのですか。」
「ツマグロの『ツマ』とは,『はじっこ』という意味で,羽のはじっこが黒いということなんだよ。」
「ヨコバイというのは?」
「それはね,この虫をよーく観察していると分かるけど,敵などが近づいてくると,横にはって逃げるから『ヨコバイ』となったんだ。こんな動きをする虫は他にはいないから,つかまえる前にじっくりと見てみると楽しいよ。」
「オオというのは,やっぱり大きいという意味ですか。」
「まあそうなんだけど,ただのツマグロヨコバイというのは,イネの害虫なんだよ。ツマグロオオヨコバイは,いろいろな草や木の葉っぱや茎から汁を吸っている生き物なのさ。」
「ふーん。汁を吸うといったけど,どうやって吸うのかな。」
「針のような口を植物に差して,チュウチュウと吸うのさ。」
「チュウチュウ吸うということは,ツマグロオオヨコバイは,セミやカメムシということですね。」
「そうそう,そのとおりさ。」
「むずかしい言葉で半翅目というんだ。いろいろな虫の名前までは分からなくても,何のなかまなのかと気づくことが大切なんだよ。」
「他に,クワガタは甲虫目,チョウは鱗翅目,ハチは膜翅目とかいうんだよ。」
「すごーい! オー君。よく知ってるね。感心ですね。」