2.植物の世界
(8)植物の名前・分類・特性について
(370)旅する種 その1
「花ちゃん,オー君。そして,国立七小のみなさんのために,今日はこんなものを持ってきたよ。」
「この袋は何ですか。これは,『たびするタネ』とありますね。タネがたびするのかな。」
「何が入っているのかな。」
「まずはオナモミです。学校のあちこちにあるから,みんなで見つけてごらん。」
「これは,ライオンゴロシですね。」
「何だかこわそうな感じですね。さわるととてもいたいですね。ライオンといっしょにあちこちに動く,つまり,たびをするということですね。」
「オナモミもライオンゴロシも,ものにくっついてたびするということだね。さて,それでは,これはどうかな。」
「なんですか。これは・・・?」
「見たことのない種ですね。」
「これはね,名前をフタバガキというんだ。」
「フタバガキ? カキの仲間なのですか。」
「カキとは,まったくちがう植物でね,日本にはなくて,もっとあたたかい南の熱帯のものなんだ。」
「なーるほど。よく見ると,種の部分がおもりとなっているようですね。」
「これなら,上の羽がクルクルとまわりながら落ちるね。」
「それからね,こんなものも見つけて来たんだよ。」
「これはまた,なんですか。」
「これはね,国営昭和記念公園にいっぱいあったもので,拾い集めてきたんだよ。」
「これも,クルクルと落ちていくんですね。」
「そのとおりです。これはアオギリという木の種です。たくさん拾ってきたんだ。」
「国立七小のよい子のみなさんで,ほしい人にはあげるのですか。」
「そのとおり。休み時間に校長室に来てください。校長室前には,ほかにもいろいろなものを置いておくので,ぜひ見に来てください。」
「ほかには,どんなものがあるのですか。」
「風にふわふわするタンポポの種子とか,カエデのプロぺラとか。」
「なるほど,風や空気を受けて,『たびをするタネ』ですね。」
「それから,赤いガマズミの実もありますね。」
「赤い実は,鳥が食べてくれて,それで『たびをするタネ』ということですね。」
「モダマというビッグなエダマメみたいなものもあるんだ。」
「モダマは海の上をプカプカと浮かびながら『たびをするタネ』ですね。」
「ともかく,いろいろなものを用意しておくから,みんなで仲良く見に来てね。」