1.身近な自然の観察
(7)気象現象
(353)ペットボトルと気圧の話
「フッタ博士! きのうは,ポテトチップスのお話,ありがとうございました。」
「とってもよく分かりました。」
「そんなに喜んでもらって,とてもうれしいね。それでは,きょうはペットボトルのお話だよ。」
「どんなお話かな。わくわくドキドキします。ね―! オー君。」
「そうですね。それでは,フッタ博士,よろしくお願いします。」
「ここにへこんでしまったペットボトルがあるんだ(校長室前に展示中)。これは,5年生が行った八ヶ岳野外体験教室の閉校式で見せたものなんだ。あの時,空っぽのペットボトルにふたをしただけだったね。それが,国立に帰ってきた時には,ぺしゃんこになってしまったんだ。」
「どうしてぺしゃんこになってしまったのですか。」
「それはね,ポテトチップスとまったくぎゃくということなんだ。下の絵をよく見るといいよ。」
「え! 説明というのは,それだけですか。」
「そうだよ。でも,それだけではつまらないから,目の前でペットボトルがぺしゃんこになる実験,つまり,大気圧の実験をしてみよう。」
「わーい。おもしろそうだ。どうやるのですか。何を用意するのですか。」
「ペットボトルとお湯だけでいいよ。音をたててつぶれるから見ものだよ。」
「ねえねえ,フッタ博士。どうやるのですか。」
「まず,お湯をちょっとポットから注ぎ入れ,すぐにふたをするんだ。」
「それから,それから?」
「水蒸気でペットボトルがパンパンにふくれるんだ。」
「それから,それから?」
「それを確認してからふたをゆるめると,シュッと音がして,内部の空気が水蒸気といっしょに追い出されるということなんです。」
「すると,すると?」
「ここからが大事なんだけど,すぐにふたをきつく閉めなおすんだ。」
「すると,すると?」
「ペットボトル内は,水蒸気でいっぱいになっているけど,やがて,外の気温で水蒸気が冷やされ,水にもどる。すると,中の空気の圧力が下がり,外の空気の圧力の方が高くなるので,つぶされるんだよ。」
「へえー。おもしろそうな実験ですね。やってみよっと!」
「火は使わないけど,熱湯を使うので気をつけよう。おうちの人とやるといいね。それから,ペットボトルは耐熱性のあるものを使用しましょう。」
「ペットボトルというのは,いろいろな形がありますね。」
「そのとおり。六角タイプのものは,角ばっている部分が骨のような役割をはたすので,丸いタイプとはつぶれ方がちがうかもね。」
「いろいろなタイプや大きさでやってみるのもいいね。」
「少しずつつぶれるのもあれば,突然バコン! と大きな音をたてるものもあるから,『時限バクダン』ではなく,『時限バコン』というんだよ。」
ポテトチップスとペットボトルのお話をした本当の理由は・・・
高い山に登ると,気圧の変化を受けるのは,ポテトチップスの袋だけではありません。子供たちも普段と違った標高の高い所に行って,体の中の調子も狂うものです。そんな高山で2泊もするのですから,十分に体に気をつけましょう・・・というお話をしたかったからなんです。