3.動物の世界
(3)脊椎動物のなかま
(342)アオダイショウ登場
「これは,本物のヘビですね。」
「これが,Iくん兄弟が持ってきてくれた,アオダイショウですね。」
「そのとおりだよ。身近なヘビとしては,東京都では,8種類ほどいるそうなんだ。つまり,アオダイショウ・シマヘビ・マムシ・ヤマカガシ・ヒバカリ・ジムグリ・シロマダラなどだね。」
「それぞれどんな特徴があるのですか。」
「毒のあるヘビは,マムシとヤマカガシだね。それ以外は,自分で調べてみようよ。大切なことは,ヘビって,どんな生き物なのかを知ることさ。みんなでどんな共通点があるかを考えよう。」
「分かりました。つまり,ヘビを科学するんですね。」
「そうそうそのとおり。ヘビの共通点って何だろう。」
「みんな足がないよ。足がないのに動くんだ。よく考えると不思議だね。」
「どうして,ヘビは動けるのですか。」
「それはね,ヘビのおなかに腹板という大きなうろこのようなものがあるんだ。それを動かしながら,右や左に体をくねらせながら進むということさ。」
「なーるほど。それで足がなくても動くことができるのですね。ところで,モンタ博士は,小さい時からヘビが好きだったのですか。」
「よく聞いてくれたね。本当はその反対で,ヘビは苦手だったのさ。ところがある日,お友達が,一歩下がって見るのではなく,一歩踏みこんで見るといいよと言われたんだ。それから,もうこわくなくなったのさ。これが,ヘビの『体験談その1』さ。」
「何ですか。その体験談というのは?」
「ヘビとのおもしろ体験さ。二つ目は,ヤマカガシがヒキガエルを飲みこもうとしているのを見たんだ。これは迫力あったね。」
「へえー。すごいなー。ぼくも見たかったな。」
「そんなチャンスはあまりないものさ。三つ目の体験談は,ある日,チョウをとる網でマムシを採ってね,おうちに持ち帰ったのさ。車の中で脱走されては困るので,網をひもでしっかりしばってテープでとめて持ち帰ったんだ。」
「それで,それで・・・。」
「おうちに持ち帰ったら,『すぐ! 捨ててきて!』とおこられてしまったのさ。」
「そりゃ,だれでもおどろくし,こまったモンタ博士ですね。」
「そのマムシをつかまえる時に気がついたけど,マムシはクサリヘビ科というヘビのなかまで,しっぽをふって『ガラガラ』と音をたてるのも聞いたよ。」
「四つ目の体験というのは,どういうものですか。」
「これがまたおもしろかったね。ある日,沢沿いを歩いていたら,体の真ん中だけがめちゃくちゃ太っているヘビを見たんだ。」
「そういうヘビもいるんですか。」
「そうではないんだ。ネズミかカエルを飲みこんだばかりのヘビだったのさ。それから,五つ目は,ある秋の夕方,シマヘビを見つけたけど,そのヘビがスローモーションのようにとてもゆっくり動くんだ。後で分かったけど,昼間はあったかくても気温が下がってすばやく動けなくなったヘビだったのさ。」
へびのように,足がなくても動く生き物はどうして動くの?
ミミズも手足のない生き物ですが,きちんと動きます。実はミミズには毛があり,これを出したり入れたりして,ひっかかりをつくり移動します。なお,この毛のことを剛毛といいます。また,カタツムリも足がないのに動きます。これはカタツムリの歩いている様子は裏側を見ると分かります。よく見ると,後ろから前に波立っているのが分かります。カタツムリは波のような動きで前に進むのです。この歩き方を進行波といいます。