2.植物の世界
(8)植物の名前・分類・特性について
(324)アブラナ科の植物
「ナノハナが一番です。『春』って感じがして一番です。」
「そうかな。ナノハナもいいけど,ぼくはハナダイコンが好きだな。」
「わたしは,ナノハナが一番です。ナノハナです。ふーん。」
「いやいや,ハナダイコンがぼくは好きだ。ハナダイコンです。ふーんだ。」
「あらあら,どうしたの。ケンカをしてはいけないよ。どうしたの。」
「だって,オー君がナノハナじゃなくて,ハナダイコンだっていうんだもん。」
「だって,花ちゃんがハナダイコンでなくて,ナノハナだっていうんだもん。」
「まあまあ,みんな仲良くしなくてはいけないよ。どっちもでいいんだよ。みんなちがってみんないいのさ。そんなときにはよーくお花を見てごらん。そうすれば,みんな仲良くなれるのさ。よーく見てごらん。」
「あ! どっちも花びらが4枚だ。おんなじだ。」
「あ! 色はちがうけど,花の感じはよく似ているわ。」
「ほほー。感心感心。ただ見るだけでなく,花びらの色や枚数に気づくことはすばらしい。科学的な見方というのは,そういうことなんだよ。」
「似ているということは,同じ仲間ということですね。」
「そのとおりだね。どっちもアブラナ科の植物だね。」
「アブラナ科って,他にどんなものがあるのですか。」
「そうだね。それでは,アブラナ科の植物について考えてみよう。まず,アブラナ科の植物にはどんなものがあるかということだけど,みんながよく知っているものもたくさんあるよ。例えば,キャベツ,ダイコン,カブ,ハクサイ,ワサビ,ブロッコリー,カリフラワー,コマツナ,クレソンなどがアブラナ科なんだ。つまり,アブラナ科は,野菜として食べるものがいっぱいある植物なんだね。」
「あのう・・・。科っていったけど,科ってなあに。」
「それはいい質問だね。植物や昆虫や動物などは,たくさんの種類があるね。それを同じ仲間に分けるのに,科というものがあるんだ。」
「つまり,同じような形や性質のものに使うのですね。」
「そのとおりだ。例えば,植物の場合にバラの仲間をバラ科,マメの仲間をマメ科,ユリの仲間をユリ科,アブラナの仲間をアブラナ科というんだよ。そして,アブラナ科にはそれなりの特徴があるということさ。」
「へえー。それじゃ,アブラナ科にはどんな特徴があるの。」
「まず,花びらの数は4枚で,十字架のように花が十字なので,昔はジュウジバナ科と呼ばれていたんだ。実は細長くて,その中にたくさんの種子が入っているんだよ。キャベツやハクサイ,ダイコンなど野菜の多くがアブラナ科だね。それに,クレソンやワサビなどの香辛料もアブラナ科なんだよ。」
「それぞれの科には,それぞれの特徴があるということですね。その特徴が分かれば,植物観察がもっともっと楽しくなるということですね。」
「そうか,それを勉強すればいいんだ。花ちゃん! いっしょに勉強しよう。」
「そのとおりだね。二人とも仲直りができて,モンタ博士もうれしいよ。」