1.身近な自然の観察
(1)昆虫と植物
2.植物の世界
(5)裸子植物のなかま
(8)植物の名前・分類・特性について
(321)クリスマスカラー(赤・緑・白)
「もうすぐクリスマスだ! サンタさんがトナカイといっしょに,たくさんのプレゼントを持ってきてくれるぞ。」
「クリスマスツリーが飾られ,街がキラキラ銀色にきらめいて,ジングルベルの曲が流れ,わくわくドキドキの楽しいクリスマスですね。」
「二学期もみんなとてもよくがんばったから,そのごほうびだね。」
「クリスマスには,おいしいものをいっぱい食べられるし,にんまりほっこりみんながみんな,にこにこですね。」
「どんなプレゼントがあるかなあ? とっても楽しみですね。」
「ところでさ,クリスマスというと,プレゼントのラッピングなど,赤や緑や白が多いけど,どうしてなんだろうね。疑問に思ったことはないかい。」
「いつも,何がプレゼントかなあということで,ラッピングはあまり気にしてないです。」
「そういえば,赤・緑・白などをクリスマスカラーというんですよね。」
「そうだよ。それぞれきちんと意味があるんだよ。知りたいと思わないかい。」
「そうですね。そういえば知りたくなりました。モンタ博士。教えてください。」
「まず,ツリーだけど,モミやドイツトウヒなどの常緑樹である針葉樹が使われるよね。」
「そういえば,モミジ,イチョウ,サクラのツリーなんてないですね。」
「モミジなど,葉っぱが落ちてしまう落葉樹ではまずいんですかね。」
「そうだよ。モミなどの木は,1年中緑色をしていて,冬でも葉が落ちないで青々としているだろう。そこで,モミの木を『永遠の命』のシンボルとして大事にしたというわけなんだよ。」
「なるほど,それで緑色なんですね。」
「それから,クリスマスの飾りつけで欠かせないのがセイヨウヒイラギだね。緑の葉っぱだけでなく,あざやかな赤い実は,人をひきつける。しかも,緑と赤は補色の関係にあるから,いっそうよく目立ち,はなやかなんだよ。」
「なるほど,それで赤い色なんですね。」
「それだけではなく,赤はキリストの流した血と,神の愛と寛大さの意味もあるんだそうだよ。」
「なーるほど。それでは,白はどうしてですか。」
「白は,純潔と雪を表す色で,雪のように清らかで素直な心をもつようにというキリスト教の教えが表れた色なんだよ。」
「ふーん。いろいろと理由があるんですね。それでは,モンタ博士。どうして,クリスマスツリーにはいろいろなものを飾ったりするのですか。」
「これもいい質問だ。モミの木に住むといわれる小人のために,花や食べ物,ろうそくなどを飾ってあげたというわけなんだよ。これが美しく飾られる現代の『クリスマスツリー』の起源なんだそうだ。また,小人は,サンタクロースの原型であるとも言われているんだよ。」
「みんなみんないろいろな意味があるんですね。」
日本では・・・?
日本のお正月も寒い冬の間,いつも緑色をしているマツやタケを門松として飾ったりする。スギやサカキはご神木として神社などにもよく植えられている。遠く離れて住む,日本人の祖先とヨーロッパ人の祖先が,とてもよく似た感覚をもっていたというのは,とてもおどろきだ。冬の寒い季節を生きている植物の生命に畏敬の念を感じる感覚というのは,人間として本来もっているものであり,民族や言語や宗教が違っていても,その思いは同じであるということだろう。