3.動物の世界
(7)ハチ・チョウ・ガ以外の昆虫のなかま
(292)ホタルとタマムシ
「モンタ博士,サンちゃん(トウキョウサンショウウオのこと)を自然に返してくれてありがとうございました!」
「トウキョウサンショウウオの里親をしてくれてありがとう。世話をしながらじっくり観察できたみたいだね。」
「サンちゃんは脱皮するんですね。水の中にうす~い皮がありました。」
「目が出っぱってきたり,胴体のわきにたくさんの筋がついたり,大人のサンショウウオの体に近づいていくんだね。」
「ところで,このプラケースの中は・・・,あっ! ホタルですね! これは大きいからゲンジボタルかな?」
「そうだよ。サンショウウオのいる所にはイノシシも出るけど,今の時期はホタルが飛ぶんだ。ゲンジボタルは高い所で力強くピカピカ光り,小型のヘイケボタルは低い所をふわふわ。とてもきれいだよ。」
「私も見てみたいわ。でも,ホタルは夏休み・浴衣・お祭り・花火・・・っていうイメージだったんですけど,こんな梅雨時に飛ぶのですか?」
「雨上がりの蒸し暑い夜が良いみたいだよ。もし見に行くなら,必ず大人といっしょに行こう。ところでホタルは英語で何と呼ぶか知っているかい?」
「えっ? 外国語活動ですか。何だろう・・・,ライトビートル?」
「さすがオー君! 硬い羽の甲虫・カブトムシはBeetleだね。正解はFireflyだって。」(*光る幼虫をGlowwormと呼ぶ)
「なるほど『火の虫』かぁ。古い漢字の『螢』にも火があるし。でもFlyって蝿のことでしょう?」(*蝿が脚を擦る姿が縄をなうように見えるので,この字らしい。)
「そう。飛び回る虫が〇〇Flyらしいね。蜻蛉がDragonflyで・・・。」
「蝶はButterflyね。」
「蛾はMoth,怪獣モスラだ。」
「亀虫は Stink bug。パソコンのソフトに起きる不具合もバグって言うんだよ。」
「ハイテク分野の用語に,臭い虫の名前がついているなんておもしろいですね。」
「Butterflyと言えば,校長室前にきれいなモルフォチョウの標本が飾ってありましたよ。」
「普通の標本は色あせていくけれど,あの青い色は特別です。構造色といって,青い光だけを反射する仕組みなんだ。七小の子が見つけた,この玉虫もそう。いつまでも虹色をしているんだよ。」
「子供時代,玉虫を見つけるたび母に奪われました・・・。『箪笥に入れておくと服が増える』からって。(泣)」
「この『玉』はボールじゃなくて,宝石のこと。英語も同じJewel beetleだって。虫探しができない雨の日にも,虫についていろいろなことを本やパソコンで調べられるよ。二人も調べてみるといいね。」
「は~い。」
「虫の漢字もいっぱい出てきたし,今日は何だか言葉の勉強会でしたね。」
「そうそう。言葉=Wordと虫=Wormは一文字ちがいでしょ。そもそも・・・。」
(この後,蜿蜒と話が続く。)
※いつもは動植物名をカタカナで表記しますが,今回は特別です。