2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(291)コンニャク
「あ! これは,学校の東昇降口にあるものだ。」
「私も見ました。何だか不思議なものですね。」
「鉢に植えてあるから,植物みたいだけど・・・。」
「にょきにょきと,毎日少しずつ伸びているようですね。」
「なんだろう。ひょっとしてタケノコかな。」
「そうね。タケノコか・・・,でも,ちがうような気もするね。」
「はーい! みなさん。こんにちは! これはなんでしょうか。」
「そうだ。国立七小の先生たちに聞いてみよう。」
「そうだね。それはいい考えだね・・・,と言いたいところだね。でも,この前,国立七小の先生に聞いたけど,正解ではなかったよ。」
「先生たちも知らないんだ。モンタ博士! 何かヒントをください。」
「そうだね。これは,植物であります。そして,この植物のもとを,校長室前に置いてあったんですよ。」
「へえー。そうなんだ・・・。それじゃ,これは,エアプランツ? 虫とり草? そうだ。〇〇〇〇くんかな。」
「残念でした。ちがいます。」
「他のヒントをください。」
「そうだな。ひらがなで5文字,小さい『ゃ』の文字もあるね。」
「うわあー。むずかしいなあ。ギブアップです。」
「正解は,『こんにゃく』です。」
「こんにゃくって,あのおでんにして食べたりするものですか。」
「そのとおりさ。あまからいお味噌をつけて食べるとおいしいね。」
「こんにゃくゼリーにする,あのこんにゃくですか。」
「へえー。私,初めて見ました。」
「もちろん,ぼくもです。ところで,この後,このこんにゃくというのは,どうなるんですか。もっと伸びていくのですか。」
「さあ,どうだろうね?」
「どのくらい大きくなるのですか。」
「そうだね。どのくらい大きくなるかね。」
「花はどんな花が咲くのですか。」
「さあ,どんな花なのかね。モンタ博士が正解を言ったのではつまらないね。みんなでどうなるかがっちり観察してみましょう。鉢植えのこんにゃくは,このまま置いておくので,みんな楽しみにしていてね。」
こんにゃく賛歌
食用部は,根でも茎でもなく,担根体と呼ばれる茎の基部が球形になった部分でコンニャクだまという。子球は3年目には直径10センチくらいに達し,食用に加工する。スーパーなどでも販売していることがあり,上記のように観察用としてもかなり楽しめる。5年目くらいの老齢のものに花がつくそうであるが,まだ見たことはない。食用にする主成分は,多糖類の一種でマンナンという。花序には,1枚の仏炎苞と肉穂というものがあり,肉穂の上に雄花,下に雌花をつける。コンニャクなどサトイモ科植物の一部は,貧栄養では雄花となり,富栄養では雌花になるなど,途中で性転換をする植物群もある。