2.植物の世界
(14)不思議な植物シリーズ
(284)ハエトリグサ(食虫植物)
「あれあれ! これは食虫植物だ。」
「そのとおり。不思議な植物として,この前は『エアプランツ』を紹介したけど,今日は,『食虫植物』だよ。」
「食虫植物というと,あの虫を食べる植物ですか。」
「そうだよ。ふつうの植物は,虫に蜜をとられたり,葉や果実を食べられたりするが,食虫植物は,その逆で虫をつかまえて食べ,栄養とするんだよ。」
「虫をつかまえるというけど,どうやってつかまえるのですか。」
「いろいろな方法があってね,葉っぱではさんだり,穴に落としたり,ねばねばでくっつけたり,食虫植物の種類によってちがいがあるんだ。」
「食虫植物って,特別な植物なんですね。」
「特別な植物のように聞こえるけど,ふつうに見られる植物と同じように葉もあれば茎もあり,花も咲かせ種を作るんだ。光と水と空気から光合成(植物の葉などにある葉緑素が,光や二酸化炭素と,根から吸い上げた水とででんぷんを作るはたらき)をおこなって成長するということでは同じだよ。」
「なるほど,そうですか。ところで,写真の食虫植物は何ですか。」
「これは,『ハエトリグサ』というもので,とてもよく知られている食虫植物さ。よーく見てごらん。何か気がつくことはないかな。」
「葉っぱみたいなものが,貝がらのようにも花のようにも見えます。」
「それから,それから・・・。」
「外側には,歯のようなとげとげが並んでいます。それから,内側にはとても細い毛のようなものが3本ずつ見えます。」
「さすがはオー君。よく気がついたね。えらい! ごりっぱ。その内側の針のような毛は,感覚毛と呼ばれるもので,それがセンサーとなっているんだよ。」
「センサーって,どういう意味ですか。」
「むずかしくいうと,『五感』(目・耳・鼻・舌・手ざわり)もセンサーといえるけど,ハエトリグサの場合には,その針のようなものに虫がふれると,瞬間的に閉じて,虫をつかまえるというわけさ。(1回目ではなく,2回目に閉じる)」
「ということは,ペンのようなもので,その針のような毛にふれれば葉っぱが閉じるということですね。それはおもしろいですね。実験したいですね。」
「そうだね。みんなが集まったらやろう。でも,勝手にさわったりしないでね。」
「それはどうしてですか。実験ができないとつまらないのですが・・・。」
「ハエトリグサは,葉っぱを閉じたり開けたりするのに,たくさんのエネルギーを使うんだ。そうすると,ハエトリグサが弱ってしまうらしいんだ。でも,そのうちいつか特別に見せてあげよう。実験してみよう。」
「わーい! それは楽しみです。本物の虫を入れてみたいですね。」
「そうだね。それもそのうちやってみよう。」
「不思議でおもしろい植物をこれからもいろいろと教えてください。」
「そうだね。モンタ博士の不思議おもしろ植物紹介コーナーはまだまだ続くよ。お楽しみに!」