2.植物の世界
(14)不思議な植物シリーズ
(283)エアプランツ
「あれあれ? この写真は何ですか。」
「もじゃもじゃのおひげみたいなものがあったり,緑色の葉っぱがありますね。」
「またまた,モンタ博士は,いつもおもしろいものを見せて,ぼくたちをおどろかそうとしているんですね。」
「緑色っぽいから,やっぱり植物なんでしょうか。」
「よく気がついてくれてありがとう。これはね,『エアプランツ』というんだ。土がいらない植物で,このごろとてもブームになっているらしいよ。この前,神代植物公園で売っていたものなんだ。みんなに見せたいと思っていたんだよ。校長室前にあるし,3年2組の教室にもおすそ分けしてあるんだ。見たりさわったりしてごらん。とっても不思議な植物さ。」
「造花とはちがうんですか。」
「え! 造花って,何なの。どういうものなの。」
「本物の花は枯れてしまうけど,ポリ塩化ビニルなどで作ったもので,ずうっとそのままの花よ。他にビニルやシルク,パンや金属などのものもあるわ。」
「造花とはちがうんだ。エアプランツは生きているのかなと思うけど,きちんとお日様の光を受けて成長しているものなんだ。もじゃもじゃのひげみたいなのは,少しずつ伸びているんだ。」
「エアとはどういう意味ですか。モンタ博士!」
「エアプランツのエアとは空気ということで,土のない空中で育つ植物ということなんだ。それで『エア』と呼ぶんだね。」
「土がなくても育つか・・・。分かったような分かんないような・・・。」
「それでは整理すると,ちょっとむずかしくなるけど,一般的な植物のように,土の中に根をはって成長するのではなく,岩石や他の樹木などに着生し,葉や根から雨や空気のわずかな水分を効率よく吸収し成長する植物さ。」
「何の仲間なのですか。」
「いい質問だね。さすが花ちゃんだね。このエアプランツの写真の下の植物は,パイナップルに近いもので,原産地は北アメリカ南部~南アメリカで,雨の少ない砂漠のような所とか,霧の多い所に見られるそうだよ。」
「あまり水をやらなくてもいいということですね。水やりをさぼってしまっても大丈夫なんですね。」
「そうだね。たまに水やりするだけでいいそうで,手軽に育てられるのがいいね。それに,お部屋にかざっておくと,ちょっとおしゃれでいいかもね。」
「私もほしいけど,高くないのですか。」
「そんなに高くはなく,300円くらいかな。みんなのお小遣いでも買えるよ。」
「よし! ぼくも育ててみようかな。チャレンジしてみようかな。」
「エアプランツは植物だし,きれいな花を咲かせるそうなんだ。モンタ博士はね,そのうち,自分で育てたエアプランツに花を咲かせたいと思ってるんだ。」
「エアプランツのお花もぜひ見たいですね。楽しみにしています。」