2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(281)エゴノキと運動会
「うわあー! きれいな花ですね。」
「すてきな花ですね。色もまっ白でいいですね。」
「まるでシャンデリアのようですね。」
「そうだね。それじゃ,『シャンデリアの木』という名前にしようか。」
「そうだね。自分たちでお気に入りの名前をつけるのもいいね。」
「ところで,モンタ博士。この木の名前は何というのですか。」
「名前は『エゴノキ』というんだよ。」
「あまり聞かない名前ですね。」
「そうね。私も初めて見る花です。」
「そうかな。このエゴノキというのは,モンタ博士のおうちの近くの雑木林ではあちこちに見られるものだけど,みんなも見たことあるでしょう。」
「どこにあるのですか。ぼく,見たことありません。」
「私も見たことがありません。どこにあるのですか。」
「バス道路の『富士見台第一団地』の交差点の所,『第一団地』のバス停留所
の近くに2本あります。きのう見たら,花が満開になりそうだったね。」
「エゴノキというのは,ちょっと変な名前ですね。名前にはどういう意味があるのですか。」
「よく聞いてくれたね。エゴノキのエゴとは『えぐい』という意味で,あくが強くて舌やのどを刺激するような味があるからなんだ。実の皮にその『えぐみ』があり,『エゴサポニン』というものが含まれているんだ。」
「何だかむずかしいお話になってきたみたいですね・・・。」
「それでは,おもしろいことを教えてあげよう。昔の子供は,この実をたたいて液汁を川に流したんだ。すると,魚が仮死状態になり,それで魚を取ったそうだよ。モンタ博士はまだやったことがないから,今度,実がなったら実験してみようと考えているんだ。みんなもいっしょにやってみよう。」
「でも,魚がかわいそうじゃないですか。」
「仮死状態というのは,死んじゃうわけではないから,いいんですよね。」
「でも,生き物をむやみに,おもちゃみたいにあつかうのだけはやめよう。」
「そうですね。今は,きれいなまっ白なすてきなお花を楽しみましょう。」
「そうだね。そうしよう,そうしよう。」
「この前は谷保駅前にハナミズキがまっ白なお花を咲かせてくれたし,そし
て,今はエゴノキだし,白い花っていいですね。」
「そうだね。今は白い花が一番だ。緑がこくなってくると白い花が目立つね。」
「フン! プンプン! 白い花なんかきらいだよ。」
「え! どうしてきらいなの。きれいなお花だよ。」
「ぼくは赤組だ。運動会で勝つのは赤組だ。赤い花が一番だ!」
「そういうことか・・・。それでは,今,咲いている赤い花を探そう!」
to be continued(つづく)