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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (5)ハチのなかま
(269)ハチのひみつの世界 19 「ミツバチ(3)」
花ちゃん
「ハチミツの(つく)(かた)はよく()かりましたが,()(ふん)(あつ)めはその(あと)どうするのですか。」

花粉(かふん)だんごを花粉パンにするのさ。」
モンタ博士

オーくん
「え! だんごをパンにする? どういうこと。」

花粉(かふん)だんごをかみくだいて,巣室(すしつ)にハチの(あたま)でおしこんでためるのさ。ハチミツがしみているからくさらない。だから(ながい)(あいだ),ためておくことができ,これを花粉パンというのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それで,(なに)使(つか)うのですか。」

「まず,糖分(とうぶん)(おお)いハチミツは,ハチのエネルギーになるし,タンパク(しつ)の多い花粉(かふん)はハチの(からだ)づくりの養分(ようぶん)使(つか)われるのさ。」
モンタ博士

オーくん
「つまり,幼虫(ようちゅう)たちのえさになるということですね。」

花ちゃん
「いろいろなことが()かってきて,とてもうれしいですね。ところで,モンタ博士(はかせ)いままでいろいろなハチの()についてお(べん)(きょう)してきましたが,ミツバチの巣って,どうやって(つく)るのですか。」

オーくん
(あな)をほったり,竹筒(たけづつ)()にしたり,()(くさ)(かみ)の巣(アシナガバチ・スズメバチ)を(つく)ったり,いろいろありましたね。ミツバチはそのどれににているのですか。」

「いい質問(しつもん)だね。ミツバチは(いま)までのハチとは全然(ぜんぜん)ちがうもので(つく)るのさ。」
モンタ博士

オーくん
「ちがうもの? (なに)使(つか)うのかな。」

「それはね,ロウでできているんだ。そして,その材料(ざいりょう)は,ミツバチが自分(じぶん)(からだ)(なか)(つく)られるものなんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「え! 自分(じぶん)(つく)る? どういうことですか。」

「ミツバチのおなかのところにあるワックス(せん)から()材料(ざいりょう)であるロウが分泌(ぶんぴつ)されるのさ。そのロウを(くち)でかんだりねったりしながら次々(つぎつぎ)とくっつけていくというわけなんだ。(した)がその写真(しゃしん)なんだ。」
モンタ博士

写真
オーくん
「とってもきれいな()ですね。」

「そうだよ。はたらきバチたちが触角(しょっかく)(くび)のかたむきなどを定規(じょうぎ)のように使(つか)うらしいよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「そうなんですか。スズメバチもアシナガバチも,その(ほか),いろいろなハチの(はは)(おや)バチが()(つく)るのがふつうですよね。でも,ミツバチはちがうんですね。ミツバチの母親バチは(なに)をしているんですか。」

「ミツバチの母親(ははおや)バチは,女王(じょおう)バチというのさ。(おお)きなおなかには,たくさんのたまごが(はい)っているんだ。女王バチには花粉(かふん)バスケットもなければ,ワックス(せん)もないんだ。たまご()みマシーンみたいなものさ。」
モンタ博士

オーくん
「え! ただたまごを()むだけなんですか。」

「そのとおりだよ。(じょ)(おう)バチは1(にち)に1500こもたまごを()むんだ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー,そんなにたくさん。」

花ちゃん
「1(にち)は24()(かん)で,1時間は60(ぷん)でしょ。60×24で1440だから,つまり,1分間(ぷんかん)に1このたまごを()むんだ。すごいなー。」

「すごいね。でも,(じょ)(おう)バチのすごさはそれだけではないんだ。女王バチはとくに(ちから)があるからとか,(あたま)がいいとか,りっぱな(おこな)いをするとかで,2(まん)びきのはたらきバチを支配(しはい)しているわけではないんだ。」
モンタ博士

オーくん
「では,どうやって支配(しはい)しているのですか。」

「それはね,あごのところから『女王(じょおう)物質(ぶっしつ)』とよばれる化学(かがく)物質(ぶっしつ)分泌(ぶんぴつ)して,(からだ)表面(ひょうめん)にまとっているんだ。女王バチの(ちか)くのはたらきバチは,この女王バチの化学物質をなめては,(ほか)のはたらきバチに()けわたしているのさ。」
モンタ博士

オーくん
「ねえ,モンタ博士(はかせ)。ミツバチはダンスをして,仲間(なかま)にいろいろな情報(じょうほう)(つた)えるとある(ほん)()いてあったけど,(じょ)(おう)バチの()(がく)(ぶっ)(しつ)も情報を伝えるものだったんですね。」

「そのとおりだね。わずかな女王(じょおう)物質(ぶっしつ)が,はたらきバチたち全員(ぜんいん)卵巣(らんそう)発達(はったつ)をおさえたり,はたらきバチの反乱(はんらん)をおさえているんだよ。まあ,ちょっとむずかしいお(はなし)になってしまって,ごめんね。」
モンタ博士

オーくん
「でも,いろいろなことが()かりました。」

花ちゃん
「ハチの世界(せかい)って,本当ほんとうにいろいろなことがあって,おどろきがあり,感動(かんどう)がありました。これからもハチと(なか)()くくらしていきたいと(おも)います。」

(はたら)かない働きバチのお(はなし)
 (はたら)きバチというと,女王(じょおう)バチの部下(ぶか)でとても勤勉(きんべん)存在(そんざい)のように(おも)われますが,実態(じったい)はそうでもないようです。ある研究(けんきゅう)書物(しょもつ)によると,働きバチは,一生(いっしょう)をさまざまな仕事(しごと)()()れている存在ではないそうなのです。(じつ)は働きバチの半数(はんすう)以上(いじょう)(なに)もせずに(やす)んでいたり,()(なか)をぶらぶらと(ある)(まわ)っているだけなのです。やらなければならない仕事があると,それを(かた)()けると,また(きゅう)(そく)やぶらぶら歩きをしています。無駄(むだ)のような存在ですが,この(おお)くの()(ろう)(どう)(しゃ)がいることにより,(てき)(しゅう)(げき)など(きん)(きゅう)()(たい)にも,コロニーは適切(てきせつ)対応(たいおう)することができるのです。
   てくてく自然散歩シリーズ
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