3.動物の世界
(5)ハチのなかま
(252)ハチのひみつの世界 2「キバチとハバチ」
「ねえ,花ちゃん,オー君。昆虫って,どのくらい種類いるか知ってる。」
「ある本に,100万種類と書いてありました。」
「へえー,すごいな。ところで,どんな種類が多いのかしら。」
「一番多いのは,カブトムシやテントウムシ,カミキリムシなどの甲虫という仲間でしょ。」
「その次が,チョウやガの仲間,そして,その次がハチやアリの仲間なんだ。」
「カブトムシやチョウは好きだけど,ハチは何だかとてもこわいわ。」
「どうして,ハチがこわいのかな。」
「ハチって,さしたりするし,黒と黄色のしまもようが,『きけん!』ですと,言っているようだから・・・。」
「なーるほどね。でもね,ハチっていろいろと調べると,それはそれは興味深い昆虫なんだよ。すべてのハチが人をさしたりはしないし,しっかりと理解することが大切だと思うよ。」
「そうですね。知らないと誤解してしまいますね。」
「そうだよ。大人の人でも,ハチについてまちがえておぼえてしまっていることがたくさんあるんだ。そこで,モンタ博士は,ハチの弁護人になろうと思うんだ。いろいろと調べたこと,分かったことをお話しするね。ところで,みんな,どんなハチを知っているかな。」
「こわいこわいスズメバチ。それから,アシナガバチもよく見かけますね。」
「あまーいハチミツを集めるミツバチもいます。」
「そうだね。しかし,みんなが知っているハチというのは,ハチ全体から言うと,ほんの数パーセントなんだ。ハチは,いろいろな種類がいて,その生活の様子もいろいろなんだ。さあ,では,モンタ博士のハチのふしぎワールドへどうぞ。」
「というわけで,これから,いろいろなハチを紹介していこう。まず,上のハチを見てごらん。キバチとハバチだよ。」
「キバチ? あまり聞いたことのないハチですね。キバチというのは,木に関係あるのかな。」
「ハバチ? これもあまり聞いたことのないハチですね。ハバチというのは,葉に関係があるのですか。」
「二人とも正解だ。両方ともハチとしては,とても原始的なハチなんだ。キバチというのは,幼虫が材木の中にすんでいて,カミキリムシの幼虫と同じような生活をしているんだ。」
「ハバチというのは?」
「木を食べないで,葉っぱにたまごを産んで,チョウやガの幼虫とにていて,葉を食べるハチなんだ。」
「上の絵を見て気がついたけど,胸と腹の間が細くくびれていませんね。」
「よく気がついたね。この仲間は,幅の広い腰を持つことから,むずかしい言葉で,広腰亜目のハチとよばれているんだ。のこぎり状や針状の産卵管は持っているけど,人をさしたりはしないよ。」
「大昔のハチは,とってもおとなしかったんですね。」
「キバチやハバチは,今でもあちこちにいるんですか。」
「たくさんの種類がいるよ。インターネットなどでも,以下のようにいろいろと紹介しているから,調べてごらん。」
大昔のハチ(キバチ・ハバチ)
原始的なハチと言われるキバチやハバチのグループは,今から2億3000万年前の中生代の三畳紀の化石として見つかっています。その後,中生代の白亜紀(1億年前)になると,寄生性の種類からアナバチ,ツチバチ,アリ,ドロバチのグループが出てきたと考えられています。なお,さらに,アナバチからハナバチ類,ミツバチが分かれ,ドロバチからスズメバチの仲間が分かれたと推定され,社会性のハチにと多様化していったようです。