2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(10)あら、不思議? 植物マジックの世界
4.自然界のつりあい・環境保全・地質と地形の世界
(2)外来種
(248)ハネフクベ-世界最大の翼を持つ種子
「カエデ・マツ・モミ,それからアオギリなどは,種に翼とおもりがついていて,『クルクル』と飛んでいくんだったよね。」
「それから,『スーイ,スーイ』と飛んでいくものもあったわね。」
「そうだね。『ハネフクベ』というんだよね。」
「とってもあったかい熱帯のニューギニアやインドネシア,フィリピンなどにあるらしいね。」
「ウリ科の植物で,世界最大の翼を持つ種子で,100m以上も,『スーイ,スーイ』と飛ぶそうだ。」
「このハネフクベは,またの名前を,ヒョウタンカズラとか,アルソミトラというんだ。その昔,ドイツのエトリッヒと友人のウエルズは,このハネフクベの種子を手に入れ,その飛ぶすがたを研究し,グライダーを開発したとも言われているんだ。そして,飛行機のヒントにもなったのさ。」
「へえー,初耳ですね。」
「このハネフクベは,東京では,目黒の教育自然園に行けば,実物が見られるよ(下の写真-1つの実の中に400こほどの種子が入っている)。それに,大阪の自然史博物館にもあるらしい。インドネシアに行くと,おみやげとして,1つ100円くらいで売っているらしいよ。モンタ博士のものは,あるお友達からもらったもので,モンタ博士の宝物さ。」
「本物って,ずいぶんとうすい感じですね。」
「よくできているだろう。自然は偉大な芸術家さ。」
「自然は偉大な芸術家・・・。なーるほど,分かるような気がしますね。」
「自然もすごいけど,もっとすごいのは,このハネフクベの飛ぶようすから,グライダーを考えた人間ですね。人類の英知はすばらしいですね。」
「そうだね。あのカワセミのくちばしのようすから,新幹線の先頭の形を考えたそうだよ。」
「水に入るときの抵抗が少ないということですね。」
「そうだよ。あのフクロウの毛の先のようすから,電車のパンタグラフの音を消すことを考えたそうだよ。」
「毛の先が細かいことで,風の音を弱くするということですね。」
「でもね,おどろいているばかりじゃつまらないから,なんとか,これと同じようなものが作れないかと,いろいろ考えてみようよ。」
「そうか! 下の型に合わせてハサミで切って,おもりをつければいいんだ。」
「いろいろな紙でやったり,拡大縮小したり,おもりの大きさを変えたりしたら,おもしろいですね。」