2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(240)ナンジャモンジャはどんなもんじゃ!
「うわあー! きれいなお花ですね。」
「そうでしょ。このお花はとてもめずらしいものなのよ。」
「ふーん,そうなんだ。それで,このお花はどこにあったの。」
「この花はね,〇〇さんのおうちの庭にさいているの。」
「そうなんだ。モンタ博士は,このお花がさくのが待ち遠しくて,とってもとっても楽しみにしていたんだ。」
「今が一番の満開なんだって。それで,うれしいんですね。モンタ博士!」
「そうなんだ。このお花はとってもめずらしいものなんだ。日本のどこにでもあるというものではないんだよ。このお花は,モンタ博士もはじめて見るものなんだ。だから,わくわくドキドキなんだ。」
「へえー,そうなんだ。それで,このお花の名前は,なんじゃ?」
「あ! オー君。よく知っているわね。」
「え! どういうことかな。なんじゃ? どんなもんじゃろう?」
「あ! オー君。よく知っているわね。」
「え! どういうこと?」
「いまね,オー君は,この木の名前を当てたんだよ。つまり,この木はね,『なんじゃもんじゃ』というのさ。」
「なんじゃもんじゃ・・・,へえー! おもしろい名前だなあ。おいら気に入っちゃった。」
「この木はね。正しい名前は『ヒトツバタゴ』というもので,日本でも九州の長崎県の対馬や愛知県,岐阜県のほんの一部にしか見られない,ほんとうにめずらしい木なんだよ。都内でも十数本しかないそうだよ。」
「それが,どうして〇〇さんのおうちにあるのですか。」
「それはね,この木の種をある人からいただいたそうなんだ。それで,〇〇さんちは,テニスコートをやっているけど,そのお店の名前にもなっているのさ。」
「ふーん,そうなんだ。なーるほどね。」
「ところで,モンタ博士。この前,植物図鑑で『なんじゃもんじゃ』と調べてもありませんでしたが・・・,どういうことですか。」
「なんじゃもんじゃというのはね,その地方で見なれない種類の大木や神社などにあるとうとい木を『なんじゃもんじゃ』とかいったらしいのだよ。」
ナンジャモンジャについて
同じモクセイ科の植物で,多摩地方によく見られるマルバアオダモという木があります。この木は4月下旬頃に花を咲かせますが,その花弁はやや色がくすんでいて,それほど目立つ花ではありません。このヒトツバタゴの花を見た時に,その透き通るような純白の色合いには,ほんとうに驚きました。あたかもシラユリの花のようなという形容がよくされます。対馬地方では,昔からこの木をウミテラシというそうです。それは,この花が咲くと,海に白く照り映えるからだそうです。