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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
1.身近みぢか自然しぜん観察かんさつ
 (3)季節きせつ生物せいぶつ
(223)うめはなはるい♪
写真
花ちゃん
「このお(はな)は,ウメですね。」

「そうだよ。モンタ博士(はかせ)はね,ウメの(はな)大好(だいす)きなんだ。」
モンタ博士

オーくん
「そうなんですか。でも,どうしてなんですか。」

「まあ,なんというかなあ。ウメのよさは,その(はな)のさく季節(きせつ)だね。」
モンタ博士

花ちゃん
(はな)のさく季節(きせつ)? どういうことですか。」

「そうだね。気温(きおん)()がらず,つめたい(かぜ)がふいていても,ウメの(はな)がさきだすと,もうすぐ(はる)なんだ,という気分(きぶん)にさせてくれるだろう。」
モンタ博士

オーくん
(はる)()るというのは,なんだか,わくわくドキドキしますね。」

花ちゃん
「それに,(こころ)がなごむ(かん)じで,()(ぼう)がわいてくるような()もしますね。」

「『(うめ)一輪(いちりん)一輪(いちりん)ほどのあたたかさ』(服部(はっとり)(らん)(せつ)(さく))という俳句(はいく)もあってね,ウメの(はな)が一輪また一輪とさくにつれて,気候(きこう)(すこ)しずつあたたかさをますという意味(いみ)なんだ。」
モンタ博士

オーくん
「ウメの(はな)は,おいらだって()っているよ。学校(がっこう)()るとちゅうにもさいているし,あちこちにあるもんね。」

「そうだね。でもね,ウメというのは,もともと(むかし)から日本(にほん)にあった植物(しょくぶつ)ではないんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「えー! 日本(にほん)のものじゃないの。」

「そうだよ。(いま)から1400(ねん)くらい(まえ)に,(ちゅう)(ごく)から(つた)わったものなのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「へえー,そうなんですか。」

「それに,(いま)では『(はな)』と()えば,サクラのことで,日本(にほん)国花(こっか)中国(ちゅうごく)の国花はウメ)でもあるけど,そのころは,サクラよりも,ウメのほうが人気(にんき)があったそうなんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「へえー,そうなんですか。でも,どうして,そんなことが()かるんですか。」

「そのころのいろいろな(ひと)(つく)った和歌集(わかしゅう)(5・7・5・7・7)で『万葉集(まんようしゅう)』というものがあるんだけど,その(なか)()てくる植物(しょくぶつ)では,2番目(ばんめ)(おお)かったそうなんだ。」
モンタ博士

オーくん
万葉集(まんようしゅう)? はじめて()くなあ。それで,ウメの(はな)はいくつくらい()てくるの。」

「ウメはハギについで(おお)くて119(しゅ)もあるけど,サクラは45首だったそうなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ふーん,そうなんだ。それにしても,ウメのお(はな)って,けっこういいかおりがするよね。」

「そうだね。あることわざに,『(うめ)(つぼみ)より()あり』とあるんだ。才能(さいのう)のある(ひと)大成(たいせい)する人は,おさないころから,それがあらわれるということで,つぼみの(とき)からよいかおりをただよわせるウメにたとえたのさ。」
モンタ博士

ウメと(うめ)()
 ウメの果実(かじつ)酸味(さんみ)(つよ)くて(なま)(しょく)(てき)さず,(すべ)加工(かこう)して利用(りよう)する。シソの()とともに塩漬(しおづ)けにし,あるいは塩漬けにしたウメをシソの葉に(つつ)んだ(うめ)()しは米飯(こめめし)とよく和合(わごう)し,殺菌(さっきん)作用(さよう)もあり,アルカリ(せい)食品(しょくひん)としても有名(ゆうめい)で,一般(いっぱん)家庭(かてい)でも常備(じょうび)の食品となっている。なお,ウメをシソとともに()けて(あか)()めるのは日本(にほん)だけである。
   てくてく自然散歩シリーズ
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