1.身近な自然の観察
(7)気象現象
(217)地球はあたたかくなっているのかな?
「あれあれ? へんな虫がいるね。」
「そうだね。調べてみようよ。」
ということで,いろいろ調べたり聞いたりすると・・・。
「これは,クロコノマチョウの幼虫だ。まちがいない。たぶん,トウモロコシを食べてたんだ。でも,ふしぎだ・・・。」
それから数日後・・・。
「見て見て。こんなチョウ見つけたわ。」
「そうだね。調べてみようよ。」
ということで,いろいろ調べたり聞いたりすると・・・。
「これは・・・まちがいない。ねえ,花ちゃん。このチョウ,どこで見つけたの。」
「きのう,おうちの近くにいたのよ。何ていうの。オー君,教えて。」
「どれどれ見せて・・・,ぎょ! これはもしかして,ナガサキアゲハだ。ナガサキアゲハって・・・たしか・・・。」
「何をさっきからぶつぶつ言ってるの。」
「きっと,オー君は,クロコノマチョウやナガサキアゲハは,もっと日本の南や西にいると思っているんだよね。そうだろう,オー君。」
「そうそう。そうなんだ。」
「でもね,このごろ,地球温暖化といって,地球そのものがとてもあたたかくなっているんだ。」
「あたたかくなると,どうして,見られるようになるんですか。」
「そうだね。生き物は,自分のすみやすいところにいるのがふつうだね。今までどちらも,あたたかい地方でないと生活できなかったチョウなのさ。」
「昔にくらべて,日本や地球がものすごくあたたかくなってきたので,そういうチョウが見られるようになったというわけさ。」
「昔って,大昔ですか。どのくらい昔なんですか。」
「ここにね,ある本があってね,チョウの生息分布図というのがあるんだ。この資料は,平成2年に出版された本からだよ。」
「下の地図みたいのが,その生息分布図というものですか。」
「そうだよ。左のクロコノマチョウや右のナガサキアゲハを見てごらん。東京よりももっと南にいるはずだろう。やっぱり地球が温暖化しているわけだ。北極のシロクマが,氷がとけてこまっているのと同じさ。」