2.植物の世界
(5)裸子植物のなかま
(201)針葉樹のお話 ②ヒノキ
「花ちゃん。この前のお話は,ちょいとむずかしかったね。」
「そうね。でも,いろいろなことがお勉強できて,とてもうれしかったわ。」
「さすがは花ちゃん。えらいことを言うね。ところでさ,上の写真は何だ。」
「さあ・・・? 何でしょうね。」
「あ! むこうからモンタ博士が来るよ。聞いてみようよ。モンタ博士!」
「はーい。よい子のオー君,花ちゃん元気かな。どうしたの,どうしたの。」
「モンタ博士,上の写真はいったい何ですか。」
「あ! これは,モンタ博士がとった写真だよ。モンタ博士のデジカメはね,とってもいいカメラでね,接写撮影といって,とても近くで写真をとることができるんだ。1cmまで写したいものに近づけるんだぞ。すごいだろう。」
「あのー。それって,自慢しているんですか。奥さんにおねだりして買ってもらったといううわさですよ。」
「まあまあ,そういうわけだけどね・・・。そうそう,この写真は何かというお話だったね。よく見ると,緑色をしているだろう。それに白いすじがあるだろう。」
「緑色ということは,何かの葉っぱということですか。」
「ピンポーン。そのとおり。これはね,ヒノキという木の葉っぱなんだ。」
「思い出したわ。ヒノキというのは,スギと同じように針葉樹で,おうちを建てたり,柱に使ったり,とても大切な木ですね。それから,漢字で『檜』と書いて,木と木を合わせて『火』を出すので,火の木(ヒノキ)ともいうんですね。」
「よく覚えていたね。ヒノキの葉っぱのうらに白いすじがあるだろう。よく見ると『Y』の字に見えるね。これが特徴なんだ。」
「ふーん。葉っぱのうらか・・・。ふだんあまり見ないな。」
「そうだろう。ところがね,葉っぱのうらって,植物を観察するとてもいいポイントなんだよね。」
「はい。分かりました。これからは,植物をただ見るだけでなく,葉っぱをひっくり返して見るようにします。ところで,この白いすじは何ですか。」
「なんだろう。まったく分からないなー。」
「これは,ろうのようなもので火を近づけると,あっという間にとけてしまうよ。」
「へえー。そうなんだ。おもしろそうだな。」
「でも,子どもだけで火遊びはいけないから,おうちの人とやってごらん。それから,この白いものは,ろうのようなものといったけど,正しくは,テルペン系という物質をふくんでいるんだ。そして,これは,木が病害虫やバクテリアなどをふせぐためのもので,人間には,とても心地よくて,森林浴のもとでもあるんだよ。」