3.動物の世界
(6)チョウ・ガのなかま
(194)オオムラサキは日本のチョウの王様?
「あれあれ? 1年生だ。みんなで何をやっているのかな。」
「オオムラサキの幼虫を観察しているんだよ。」
「みんなのために,春から用意しておいたんだよ。よーく見てごらん。大きな幼虫だろう。チョウの羽の色がむらさきになるんだよ。」
「オオムラサキは,日本のチョウの王様なんだぞ。」
「ふしぎな形でしたね。それから,葉っぱをよく食べていましたよ。」
「とてもかわいいだろ。ほら,みんなでチョウの標本も見ているんだよ。」
「うわあー。いろいろなチョウがいるんですね。ぜんぶ本物なんでしょ。オオムラサキって,とても大きくて,とてもきれいなチョウなんですね。そのうち,とってみたいわ。」
「ねえ,花ちゃん。白い網のようなものが見えるだろう。これ,何だか分かるかな。」
「写真の左ですね。さあ,何かしら。」
「あのさ。オオムラサキの敵って,何だと思う。」
「・・・分かった! それは,鳥でしょ。」
「ピンポーン。そのとおりさ。白い網でかこんでおけば,鳥が来ても食べられないというわけさ。」
「白い網の中で,下の写真のように幼虫が育つのね。」
「そうだよ。この幼虫は終齢幼虫といってね,もうすぐさなぎになるね。」
「さなぎって,どんな形なの。」
「下の写真のように,たれ下がるさなぎなんだね。アゲハやモンシロチョウとはちがうんだよ。」
「なーるほど,そうなんですか。そして,もうしばらくすると,大空を飛ぶような成虫になるんですね。」
「そうだよ。オオムラサキの成虫はとても大きくてりっぱで,そして,とてもきれいなチョウなんだ。」
「早く羽化しないかな・・・。」
「もうそろそろだよ。いよいよだよ。わくわくドキドキするね。さあ! オオムラサキの登場でーす。」
「うわあー,すばらしい! こんなに近くでオオムラサキを見たのは初めてです。」
「とてもすばらしいね。おどろきだね。感動だね。それじゃ,そのよろこびを作文に書くといいよ。学校の友達もみんな作文を書いているよ。」
※ということで,以下,作文の紹介をします。どれも皆よく書いていました。
今日の2時間目にふく校長先生がオオムラサキの3頭のオスが入っている虫かごを持ってきてくれました。虫かごの上には,こん虫ゼリーと,さとう水をつけたティッシュペーパーがありました。オオムラサキは,一生けんめいにみつをすっていてすごいなと思いました。そして,ふく校長先生が,ライトを出して,虫かごの中に入れました。ぼくは,何に使うのかなとふしぎに思いました。そして,ライトをつけると,おどろいたことに,オオムラサキがだんだん羽を開いていきました。ぼくは,なぜ羽を開いたのかぎもんに思いました。ぼくはそれを初めて見たので,びっくりしました。とってもおもしろかったです。(T・U)
今日は,ふく校長先生がオオムラサキと電とうを持ってきた。オオムラサキは3頭だった。しいくケースに入っていて,上にはこん虫ゼリーとさとう水につけたティッシュペーパーがのっていた。しいくケースのふたを開け,電とうを入れてつけた。すると,オオムラサキが羽を広げ,活発に動いた。ぼくは,初めて見たので,すごいと思った。多分,羽を広げるのは,日光よくをしていると思う。また,電とうを消すと,羽を閉じてあまり活発に動かなくなった。さいごにふく校長先生は,ちょうは変温動物といって,周りの温度によってえいきょうをうけると言っていた。ぼくは,ちょうは変温動物としり,すごくかん心した。(O・U)
オオムラサキから一言,ごあいさつ!
どうもおいらのことを誤解している人間が多いようで,おいらは困っている。おいらは,国蝶ということで,日本にしかいないと思っているだろう。そうじゃないんだな。中国,台湾,朝鮮半島にもいるんだ。おいらを国蝶ということで,採集してはいけないと思っている人間もいる。これもまちがいだ。おいらはな,チョウの中でも,切手にまでなってしまって有名になっちゃったけど。案外多いんだぜ。どんどん採集して,おいらの美しい姿を見てくれよ。飛び方だって,モンシロチョウみたいに,ひらひらなんて飛ばないぜ,堂々とグライダーみたいに,かっこよく滑空するんだぞ。ぜひ見てくれよ。