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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
1.身近みぢか自然しぜん観察かんさつ
 (1)昆虫こんちゅう植物しょくぶつ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
(183)リョウブはむしのレストラン
オーくん
「きのうは,やぶかないぞう・・・ではなくて,ヤブカンゾウというお(はな)()せてもらったな・・・。あれあれ? むこうから,モンタ博士(はかせ)と花ちゃんが()るぞ。あれあれ? モンタ博士は()(なに)()っているぞ。」

花ちゃん
「ほんとうに,よくにおうお(はな)ですね。」

「そうだね。だから,いろいろな(むし)()るんだね。」
モンタ博士

オーくん
「え! (むし)()る? (なん)だ,何だろう。モンタ博士(はかせ)(はな)ちゃん,何のお(はなし)ですか。」

(いま)ね,このリョウブの(はな)のお(はなし)をしていたんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
(なつ)になって,リョウブのお(はな)があちこちにさき(はじ)めたでしょ。」

オーくん
(なに)! じょうぶ? へんな名前(なまえ)だな。」

花ちゃん
「じょうぶではなくて,リョウブというのよ。」

「リョウブというのはね,漢字(かんじ)令法(りょうぶ)()くそうなんだ。命令(めいれい)(れい)と,法律(ほうりつ)(ほう)だね。」
モンタ博士

花ちゃん
名前(なまえ)のいわれは(すこ)しややこしいらしいの。でも,この()(はる)若葉(わかば)は,ごはんといっしょに()れてたくとおいしいそうよ。」

「そうだよ。リョウブ(めし)といって,(むかし)(ひと)()べていたそうなんだ。ちょっと(まえ),ある教科書(きょうかしょ)物語(ものがたり)教材(きょうざい)にもリョウブ飯のことが()いてあったよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ともかく,このリョウブという()のお(はな)はよくにおうのよ。だから・・・。」

オーくん
「だから,たくさんの(むし)がこのリョウブに()るということだね。」

「そのとおりさ。このあまいかおりで,チョウやハチ,ハナアブ,ガ,甲虫(こうちゅう)など,さまざまな昆虫(こんちゅう)(あつ)まってくるんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「つまり,どんな(むし)でもよく(あつ)まってくるということね。」

オーくん
「よーし。どんな(むし)()るか,調(しら)べてみよう。リョウブは虫のレストランだ。」

(むし)のレストラン・・・。なるほど。オー(くん)もおもしろいことを()うね。」
モンタ博士

 ということで,オー(くん)は,リョウブの(はな)(もと)でじっと(むし)たちのくるのを()っていたとさ。
「ともかく,(はな)(むし)とは(むかし)から(なか)()かったということだね。それにしても,オー(くん)はいつまで,花の(した)にいるんだろうね。」
モンタ博士

花ちゃん
「そうですね。ひょっとして,(なつ)(やす)みの()(ゆう)(けん)(きゅう)にするのかもしれませんね。」

写真
植物(しょくぶつ)語源(ごげん)について・・・リョウブ
 深津(ふかつ)(ただし)()著作(ちょさく)()()由来(ゆらい)』の(なか)で,律令(りつりょう)国家(こっか)末期(まっき)にあたる平安(へいあん)時代(じだい)初期(しょき)から中期(ちゅうき)にかけて,農民(のうみん)(たい)し,田畑(たはた)面積(めんせき)基準(きじゅん)として,(いっ)定量(ていりょう)のリョウブの植栽(しょくさい)および()採取(さいしゅ)貯蔵(ちょぞう)とを(めい)ずる官令(かんれい)(はっ)せられ,この官令,すなわち令法(りょうぶ)がそのままこの木の名前(なまえ)になったと,()推論(すいろん)しています。なお,リョウブは,(わか)()()がいて,これを乾燥(かんそう)させ,(めし)()ぜ,あるいは穀物(こくもつ)(こな)といっしょにして団子(だんご)にして()べるなど,救荒(きゅうこう)植物(しょくぶつ)として(ふる)くからたいへん重要(じゅうよう)なものだったそうです。
   てくてく自然散歩シリーズ
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