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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
4.自然界しぜんかいのつりあい・環境保全かんきょうほぜん地質ちしつ地形ちけい世界せかい
 (4)自然しぜんのめぐみ
(164)フィトンチッドのおはなし その2
写真
オーくん
「フィトンチッドのお(はなし)(つづ)きだけど,けっきょく,植物(しょくぶつ)は,そのフィトンチッドを人間(にんげん)のために()しているということですね。」

「いやいや,そうじゃないんだ。そのフィトンチッドというのは,人間(にんげん)のためではないんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「え! それじゃ,だれのためですか。」

「それはね,植物(しょくぶつ)()(ぶん)(からだ)(まも)るために()しているものさ。」
モンタ博士

オーくん
「え! 植物(しょくぶつ)自分(じぶん)(からだ)(まも)るって? どういうことですか。」

花ちゃん
植物(しょくぶつ)はだれから(からだ)(まも)ろうとしているのかしら。」

「その(まえ)に,植物(しょくぶつ)動物(どうぶつ)とちがって,おそってくる(てき)(たい)しては()()かうこともできないし,にげることもできないだろう。」
モンタ博士

花ちゃん
「そうですね。(うご)けないからにげられないですね。」

「だから,植物(しょくぶつ)自分(じぶん)(からだ)(なか)から,そのフィトンチッドというものを()しているのさ。」
モンタ博士

オーくん
植物(しょくぶつ)をおそう(わる)いやつというのは,いったいだれなんだろうな。正義(せいぎ)味方(みかた)・オー(くん)がやっつけてやるぜ。」

花ちゃん
「まあまあ,オー(くん)。そんなに興奮(こうふん)しなくてもいいわよ。」

「その(わる)いやつとは,(さい)(きん)とよばれるバイキンみたいなものとか,カビなどだね。植物(しょくぶつ)はいつもそういう悪いやつにねらわれているのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「その(わる)いやつが(はい)って()ないために,植物(しょくぶつ)はフィトンチッドを自分(じぶん)(からだ)から()しているということですね。」

「そのとおりさ。『フィト』とは植物(しょくぶつ)という意味(いみ)で,『チッド』とは(ころ)すという意味なんだ。フィトンチッドは(わる)いバイキンなどを殺すということなんだ。」
モンタ博士

オーくん
「そのフィトンチッドは,(にん)(げん)(わる)くないの。(がい)にはならないの。」

「フィトンチッドは,人間(にんげん)にはもちろん(がい)はないから安心(あんしん)していいよ。むしろ,ぎゃくだね。フィトンチッドのかおりは(おも)にテルペン(けい)物質(ぶっしつ)というものなんだけど,むずかしくなるからやめるけどね。」
モンタ博士

オーくん
「テルペン? むずかしいお(はなし)はごめんだよ。()かりやすく()ってちょうだい。」

「テルペンという物質(ぶっしつ)には,ようするにバイキンをやっつける性質(せいしつ)があるんだ。植物(しょくぶつ)()っぱには,そのテルペンというものがふくまれているというわけさ。植物の葉っぱでいろいろな()(もの)をつつんだりするのを()ってるかな。」
モンタ博士

オーくん
()っぱで()(もの)をつつむ? うーん。そうだ! かしわもちはかしわの葉っぱでつつんであるぞ。それから,さくらもちやささだんごもあるぞ。」

花ちゃん
「ほおばめしとか,ほおばみそとかもそうだ。それから,おすし()さんのガラスのケースにスギやヒノキの()っぱを()れておくのも,(なに)関係(かんけい)あるの。」

「そのとおりだよ。かざりで()れてあるのではなく,お(さかな)(わる)くならないためなんだよ。(むかし)から,人間(にんげん)植物(しょくぶつ)()っぱのひみつを利用(りよう)してきたんだね。コンビニのお弁当(べんとう)などに(みどり)のビニールみたいのが(はい)っているのも,そのなごりだね。」
モンタ博士

花ちゃん
「なーるほど。これからも人間(にんげん)(もり)仲良(なかよ)くしていきたいですね。」

森林(しんりん)(よく)のすすめ・・・(もり)効用(こうよう)その2
 ある学者(がくしゃ)森林浴(しんりんよく)効果(こうか)医学的(いがくてき)側面(そくめん)から研究(けんきゅう)したそうである。まず,軽井沢(かるいざわ)のカラマツ(ばやし)(なか)を20(ぷん)ほど散策(さんさく)した(あと)(あん)(しつ)(はい)って()(どう)(こう)(しゅく)(しょう)(かく)(だい)など,(ひかり)(はん)(しゃ)調(しら)べたそうである。また,この(じっ)(けん)(おな)()(しょう)(じょう)(けん)や同じ(あか)るさで,(だい)(がく)(じっ)(けん)(しつ)(そく)(てい)したそうである。すると,(もり)(なか)での測定の(ほう)反射(はんしゃ)変化量(へんかりょう)(おお)きかったのである。このことは,森の中の方が瞳孔の活動(かつどう),いうなれば大脳(だいのう)の活動レベルがより(たか)いということを(しめ)しているそうである。つまり,森林や木々(きぎ)(かお)りは,神経(しんけい)(けい)の活動を活発(かっぱつ)にさせて,精神(せいしん)集中(しゅうちゅう)にも(やく)()つということが()えるのである。
   てくてく自然散歩シリーズ
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