トウショキッズ 東書KIDS

  • HOME
  • みなさまへ
  • 保護者の方へ
  • 先生へ
花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (1)動物どうぶつ生殖せいしょく
(148)シロスジカミキリと不思議ふしぎあな
写真
オーくん
(なん)だ,こりゃ? (ひと)つ,(ふた)つ,(みっ)つ,(よっ)つ,(いつ)つ・・・(まる)くて(くろ)いのがあるぞ。」

花ちゃん
「さて,(なん)でしょうね・・・。()はコナラのようですが・・・。」

「そうだね,コナラの()だね。(なん)だか()かるかな。ヒントはね,木の(した)根元(ねもと)()てごらん。」
モンタ博士

オーくん
()根元(ねもと)? あれあれ・・・,木のかすがいっぱいだ。」

花ちゃん
「こういうのを『かんなくず』とかいうのね。でも,どうして()のかすが・・・?」

オーくん
「だれかが,()のかすを()としたというわけか・・・。あ! ひょっとして,(はな)ちゃん? そんなわけないよな。」

花ちゃん
「オー(くん)。まじめにやってください。」

オーくん
()(まる)いあな・・・,木の根元(ねもと)に木のかす・・・? ()かった。カミキリムシだ。」

「そのとおりだ。(まる)くて(くろ)いのは,シロスジカミキリが産卵(さんらん)する(とき)にかじったあとだよ。根元(ねもと)につもっているのは,幼虫(ようちゅう)(みき)()べたかすや,羽化(うか)した成虫(せいちゅう)が幹からぬけ()(とき)()くずなんだ。」
モンタ博士

写真
オーくん
「そうか,交尾(こうび)()わったメスが,()(かわ)をかじって(まる)いあなを()けて産卵(さんらん)するんだ。」

花ちゃん
「メスは(よこ)移動(いどう)しながら次々(つぎつぎ)産卵(さんらん)するので,(まる)くて(くろ)いものが横にならぶのね。」

「そうだね。ところで,あのね,みんながカブトムシをさがすのはどんなところなの。」
モンタ博士

オーくん
「そりゃ,もちろん。樹液(じゅえき)()ているところさ。」

「その樹液(じゅえき)()るところとカミキリムシとはとても関係(かんけい)(ふか)いんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それって,どういうことですか。」

「そもそも,コナラという()だって,カミキリムシなんかに,大事(だいじ)自分(じぶん)(みき)(きず)つけられたくないだろう。」
モンタ博士

オーくん
「でも,カミキリムシがたまごを()んだり,成虫(せいちゅう)()てきたりして(きず)つけられちゃったということですね。」

「そこで,()自分(じぶん)(からだ)(まも)るために,樹液(じゅえき)という『(くすり)』を自分で()して自分の体を守っているということなんだよ。」
モンタ博士

シロスジカミキリのつぶやき
 メスが(たまご)()むのは,()()(なか)ではなくて,木の(かわ)(ちか)く,(けい)成層(せいそう)というけど,つまり師管(しかん)道管(どうかん)など,栄養(えいよう)水分(すいぶん)(はこ)(くだ)がある場所(ばしょ)なんだ。ここは,木にとって成長(せいちょう)していくところでとても大切(たいせつ)なところなのさ。それで,おれたちに(きず)つけられると,(あな)()いたり,ささくれだったようになったり,こぶのようになったりするんだ。まあ,けがをしたあとにかさぶたができるみたいなものかな。木に穴が開いていたのを()たこともあるだろう。この穴から()(じゅ)(えき)こそ,カミキリムシ産卵(さんらん)(こん)脱出孔(だっしゅつこう)の傷を(まも)るための()()(せい)()()(ぐすり)なんだよ。
   てくてく自然散歩シリーズ
このページの先頭へ