2.植物の世界
(3) 被子植物(双子葉類)のなかま
(131)ツユクサとムラサキツユクサ
「オー君! いよいよ明日から6月ね。」
「でも,6月って,梅雨の季節になるでしょ。外で遊べなくなるから,あまりいい季節ではないな。」
「そんなことないわよ。カサをさせばいいでしょ。それに長ぐつだってあるし。どこにだって行けるわ。雨の日のお散歩だって,けっこう楽しいわ。」
「そうか,カタツムリやカエルみたいに,雨がふって喜んでいる生き物だっているか。」
「雨の音をしずかに聞くことだってきっと楽しいわよ。それから,雨があがったら葉っぱがきれいになるでしょ。それを見るのもいいわ。」
「そうだね。雨の日の楽しみかたを考えるといいね。でもね,東京が梅雨になるのは6月でも後半のほうなんだ。それまでは暑い日が続くから熱中症にならないように気をつけてね。あ! あそこに青いお花がさいているよ。みんなで見に行ってみよう。」
「あ! ツユクサですね。これからの季節にぴったりのお花ですね。」
「梅雨に咲くから,ツユクサというのかな。」
「うーん。どうだったかな。」
ツユクサ
「このツユクサというのはね,梅雨の季節だからではないんだよ。つゆはつゆでも露のほうさ。」
「露ってなんだ?」
「露というのはね,夜,空気が冷えて,空中の水分がつぶつぶとなって葉っぱなどにつくものだよ。アサガオの葉っぱにつゆがおりるとかいうんだ。このツユクサは,朝の露を集めて咲くんだね。それに,昼にはしぼんでしまうんだ。」
「ふーん,そうなんだ。梅雨とは関係ないけど,まあ,きれいなお花だから,見ていてうれしいね。ところでさ。花ちゃん,春ってけっこういろいろなお花が咲いて,いい季節だと思ったけど,よく見ると,いろいろな季節に花っていっぱい咲いているんだね。」
「そうね。国立七小は花いっぱいの学校ですね。これからもいろいろな植物や昆虫などたくさん見つけていきましょう。」
「あれあれ? あんなところにもお花が咲いているよ。なんだろう。」
「よく気がついたね。きれいな花が咲いていても気がつかないとか,見えないというのではさみしいね。植物や昆虫などは,季節の変化を教えてくれる大切なものなんだ。あのお花はね,ムラサキツユクサだね。」
「ムラサキツユクサとツユクサか。名前が似ているということは,花も似ているのかな,よし観察してみよう!」
ムラサキツユクサのつぶやき
私は,外国生まれなのよ。あちこちの道ばたに雑草のようにあるけど,花はなかなかきれいでしょう。3枚の花びらが特徴的でしょう。花の色は青っぽいものから,白,紫色,ピンク系のものもあるみたいよ。花が一番きれいなのは,朝なのよ。午後にはもうしぼんでしまうのね。こんなところが,ふつうのツユクサとよく似ているでしょう。