3.動物の世界
(6)チョウ・ガのなかま
(130)はじめまして・・・わたしはオケラ!
「♪ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
・・・中略・・・
ミミスだって オケラだって アメンボだって
みんな みんな生きているんだ 友だちなんだ♪」
「いい歌だなあ・・・。」
「そうですね。この歌を作ったのは,『アンパンマン』をかいた『やなせたかし』さんだったよな。」
「ミミズとアメンボは分かるけど・・・。オケラってなんですか。」
「オケラって,たしか・・・,虫だよね・・・。」
「モンタ博士! オケラをつかまえたよ。」
「オケラ? どれどれ,見せてごらん。ほほー。生きたのははじめて見たよ。」
「おいらは,オケラさ。正しくは,ケラというぞ。コオロギなどの仲間だ。『おけらの七つ芸』とは,よくいう言葉なんだ。」
「オケラくん。はじめまして・・・。お友達になりましょう。」
「オケラくん,きみと仲良くしたいな。もっといろいろ教えてよ。」
「おいらは,あなほり名人なんだ。前足を見てごらん。すごいだろう。」
「ふーん。このすごい足であなをほるんですね。」
「うん。まあ,そうだな。ほかに,鳴くこともできるし,とべるし,泳げるし,それに子育てもできるんだ。でも,得意なのは,あなほりだけど,あとはちゅうとはんぱなんだ。それで,そういう人を『おけらの七つ芸』というのさ。」
「オケラくん,どうして『オケラ』という名前になったんだい。」
「なかなかいい質問だな。それは,おいらを前から見ると,ばんざいをしているように見えて,一文無しでお手上げしているようなんだ。それで,オケラになったというわけなんだ。」
「へえー! そうなんだ。」
「でもよ。このごろよ。人間様たちが,土とふれる機会が少なくなってよ。おいらを見つけてくれることもなくなったよな。」
「ふーん。それでそれで・・・。」
「それでよ。おいらを見かけてもよ,何の虫か分かんない人がふえているって言うじゃんか・・・,なんだかさみしくなっちゃうよな。」
「あのお・・・,お話し中ごめんなさい。オケラって,虫の名前だけど,植物にもオケラというのがあったように思うんですが・・・。」
「そうだね。キク科の植物なんだ。もうかれてしまったけど,去年とったものがドライフラワーみたいになっているから下の写真を見てね。」