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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
4.自然界しぜんかいのつりあい・環境保全かんきょうほぜん地質ちしつ地形ちけい世界せかい
 (1)自然界しぜんかいのつりあい
(129)ヘビとカエルのたたかいは・・・
写真
花ちゃん
「キャーッ! こわーい!」

オーくん
「どうしたの,(はな)ちゃん? なんだあー。ヘビがカエルにかみついているだけじゃんか。それが,どうかしたの?」

花ちゃん
「ねえ,オー(くん)。こわくないの。」

オーくん
(なに)()っているんだよ。ぼくたち人間(にんげん)()らないところで,()(もの)どうしの()うか食われるかとの(たたか)いは,いつもあちこちであるんだよ。そうですよね,モンタ博士(はかせ)。」

「そうだね。ふだんはなかなか()ることができないものだね。ところで,この()はとってもじょうずにかいてあるけど,だれがかいたの。(はな)ちゃんじゃないよね。それじゃ・・・,オー(くん)かい。」
モンタ博士

川上職員
「わたしでーす。この(まえ)学校(がっこう)体育館(たいいくかん)うらのシイタケを()()った(とき)に,(よう)(すい)()のような(ところ)で,ぐうぜんに見てしまったんです。」

川上職員
「カエルの(からだ)にガバッと(おお)きな(くち)()けてかみついていたんです。すっごい迫力(はくりょく)でしたね。」

川上職員
「ヘビは自分(じぶん)よりも(からだ)(おお)きなものでも,自分のあごの(ほね)をはずすようにしてかみつくといいますが,本当(ほんとう)なんですね。」

「それは,すごいものを()ることができてよかったね。なかなか,そんなチャンスはないからね。モンタ博士(はかせ)もあちこちてくてくしているけど,(いま)までに1(かい)しか見てないもんね。今度(こんど)は,ぜひ写真(しゃしん)をとっておいてちょうだいね。」
モンタ博士

花ちゃん
「わたし,カエルがかわいそうだし,ヘビなんていなくなればいいと(おも)います。」

オーくん
「でも,ヘビがいなくなったら,カエルがふえたりしないかな。」

「なるほど,では,ここで問題(もんだい)だ。もし絶滅(ぜつめつ)するとしたら,ヘビ? カエルかな? どっちだと(おも)う。」
モンタ博士

花ちゃん
「いつもにらまれるカエルかな。」

オーくん
「いつもいばっているヘビかな。」

動物(どうぶつ)研究(けんきゅう)で,ノーベル(しょう)をもらったコンラート・ローレンツ博士(はかせ)という(ひと)がいるけどね。ヘビがふえすぎるとカエルをどんどん()べてカエルの(かず)がへるんだ。そして,カエルの数が10(ぶん)の1以下(いか)になると,もはやヘビはえさのカエルをさがせなくなる。そこで,いばっているヘビが最初(さいしょ)にだめになるそうなんだ。これが自然界(しぜんかい)のすがたなんだそうだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ふーん,なるほど。(つよ)(ほう)(さき)にだめになるということなのか。」

「そうだね。(げん)(じつ)にはヘビがへればカエルがふえて,カエルがふえればまたヘビがふえるんだけどね。」
モンタ博士

花ちゃん
自然界(しぜんかい)のバランスというのはうまくできていて,両方(りょうほう)とも絶滅(ぜつめつ)しないのね。」

(つよ)(もの)こそ(けん)(きょ)さを(わす)れないで!
 (いま)(わたし)たち(じん)(るい)は,()(もの)と食われる者との(たち)()(あらわ)す,()(もの)でつながっている(ひと)つの(くさり)・・・食物(しょくもつ)連鎖(れんさ)・・・の頂点(ちょうてん)()って,一番(いちばん)いばってあらゆる欲望(よくぼう)満足(まんぞく)させようとしている。人口(じんこう)倍々(ばいばい)ゲームのように()えて,まるで人類が地球上(ちきゅうじょう)制覇(せいは)したような気分(きぶん)になっている。しかし,自然界(しぜんかい)のエネルギーの(なが)れから()生態(せいたい)(けい)(なか)で,(みどり)植物(しょくぶつ)生産者(せいさんしゃ)であるのに(たい)して,人間(にんげん)消費者(しょうひしゃ)の立場,寄生(きせい)(ちゅう)の立場にいる以上(いじょう)(みどり)・・・それが立体的(りったいてき)につまっている(もり)・・・を食いつくした(とき)最初(さいしょ)にだめになる,最初に破滅(はめつ)する,最初に絶滅(ぜつめつ)するのは,自然界を()()く生態系の図式(ずしき)から()れば,(じつ)は,人間の(ほう)なのであることをしっかりと認識(にんしき)しなければならない。
   てくてく自然散歩シリーズ
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