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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (3)脊椎動物せきついどうぶつのなかま
(127)こんちわっす! おれ,・・・スナヤツメ!
写真
花ちゃん
「あれ! (なん)ですか?」

オーくん
「ドジョウのようだけど・・・。そうじゃないみたいですね・・・。」

花ちゃん
「うなぎのようだけど・・・。ちょっとちがうみたいですね。」

オーくん
「モンタ博士(はかせ)! いったい何者(なにもの)ですか。こいつは・・・。」

「こいつは,『スナヤツメ』といって,ヤツメウナギの仲間(なかま)なのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ヤツメウナギって・・・ウナギの仲間(なかま)でしょ。」

「ヤツメウナギとウナギって,名前(なまえ)はよくているけど,だいぶちがう()(もの)なんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ちがうって,どうちがうんですか。」

「そうだね。それじゃ,みんなお(さかな)()べるときのことを(おも)()してごらん。」
モンタ博士

オーくん
「お(さかな),といえば,お寿()()だな。おいら,(ちゅう)トロがいいや!」

「そうじゃなくて,お(さかな)(いっ)(ぽん)(まる)ごとを(おも)()すんだよ。お魚には(くち)があって,パクパクとあごを(うご)かすだろう。そのあごがスナヤツメなど,ヤツメウナギの仲間(なかま)にはないのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「あごがないというのは,お(くち)がないということ?」

「お(くち)はあるけど,ほかの(さかな)にすいついて,ヤスリのような()で,魚のひふをけずって()をすうんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ドラキュラみたいなやつだな。」

「それから,ふつうの(さかな)のように,むなびれやはらびれがないんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ずいぶんとかわった(さかな)なんですね。」

原始的(げんしてき)(さかな)で,くわしく()うと,魚ではないんだ。」
モンタ博士

オーくん
「ふーむ。なるほど,わったやつもいるんだね。ところで,このスナヤツメはどこにいたんですか。」

学校(がっこう)(まえ)(かわ)だよ。(みず)のすんだ(なが)れのしずかなきれいな川にしかいないんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ということは,ぼくたちの学校(がっこう)(まえ)(かわ)はとてもきれいな川というわけね。」

「うん。まあ,すぐにそうだと()めなくてもいいけどね。スナヤツメは(みず)のよごれに(よわ)いそうなんだ。それに,スナという名前(なまえ)がついているように,幼生(ようせい)昆虫(こんちゅう)でいえば幼虫(ようちゅう))のころは,すなの(なか)にもぐって生活(せいかつ)しているそうだから,そういう環境(かんきょう)が,(いま)でものこされているということだね。」
モンタ博士

スナヤツメのつぶやき
 えーっと。(わたし),スナヤツメはですね,日本(にほん)全国(ぜんこく)生息(せいそく)しておるんですが,(みず)()んだ(なが)れのゆるやかな(あさ)いきれいな流れの(なか)におるんですよ。幼生(ようせい)はどろの中にもぐって有機物(ゆうきぶつ)やけい藻類(そうるい)()べて(おお)きくなるんですね。ガキのころは,()がなくて,どろの中で()らしているというわけですよ。4(ねん)()(あき)大人(おとな)ではなく,(せい)(ぎょ)といいますが,このころは目がちゃんとあるんですよ。変態後(へんたいご)消化管(しょうかかん)退化(たいか)してしまい,えさを()らずに(はる)まで()ごすんですね。春から初夏(しょか)にかけて産卵(さんらん)し,一生(いっしょう)()えます。(くわ)しく()いますと,私の仲間(なかま)(えん)口類(こうるい)というものに(ぞく)しましてね,系統(けいとう)分類的(ぶんるいてき)()魚類(ぎょるい)とは大きくちがっているんですね。脊椎(せきつい)動物(どうぶつ)の中では(もっと)原始的(げんしてき)で,古生代(こせいだい)繁栄(はんえい)した仲間の()(のこ)りで,まさに生きた化石(かせき)であり,生物学的(せいぶつがくてき)にも非常(ひじょう)貴重(きちょう)なんですよ。環境庁(かんきょうちょう)レッドリストで,(ぜつ)(めつ)()()()(るい)というものになるんだそうですよ。まあ,そんなわけですから,私を()つけたときは(やさ)しくしてくださいよ。バイバイ!
   てくてく自然散歩シリーズ
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