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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (2)くきのつくりとはたらき
6.その
 (4)実験じっけん観察かんさつ調査ちょうさから
(125)ぐんぐんのびるたけ不思議ふしぎ
写真
花ちゃん
「あれ? これは,学校(がっこう)のうら(やま)竹林(ちくりん)ね。」

オーくん
(たけ)()がぐんぐんとのびているね。」

花ちゃん
「こんなに(おお)きくなっては,もうおいしくないのよね。」

オーくん
「ほんのちょっとだけ(あたま)()したくらいの(たけ)()がおいしいらしいよ。あれ! ()こうからモンタ博士(はかせ)()るよ。()(なに)()っているよ。」

花ちゃん
「また,(たけ)()ほりをするのかしら・・・? ()()っているのは,クワでなくて,定規(じょうぎ)みたいよ。(なに)をするのかしら?」

「やあ! (はな)ちゃん・オー(くん)元気(げんき)。モンタ博士(はかせ)(いま)自由(じゆう)研究(けんきゅう)をしているんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
自由(じゆう)研究(けんきゅう)(なに)調(しら)べているんですか。」

オーくん
「どんな(たけ)()がうまいかという研究(けんきゅう)ですか。」

「いやいや,ちがうよ。(まえ)から疑問(ぎもん)(おも)っていたんだけどね,(たけ)()って,すごいいきおいでのびるだろう。それで,どのくらいかを記録(きろく)して,(なに)()かるかなと思ってね。」
モンタ博士

花ちゃん
「え! 毎日(まいにち),はかったんですか。」

「そうだよ。毎日(まいにち)()ていて,あー,のびたな,と(おも)っているだけじゃつまらないけど,記録(きろく)をとってグラフなどにすれば,それは,もう『科学(かがく)』するってことだからね。いろいろ()かって,(たの)しかったね。」
モンタ博士

オーくん
「それで,それで,どんなことになったの。」

「ジャーン! 発表(はっぴょう)します。(つぎ)のようなグラフになりました。」
モンタ博士

写真
花ちゃん
「へえー,定規(じょうぎ)ではかるだけですね。けっこうかんたんにできる観察(かんさつ)ですね。」

実験(じっけん)をする(まえ)に,ある(ほん)に,『(たけ)()(さき)(うわ)()をかけて(ひる)()をしていたら,()がさめた(とき)には,とどかない(たか)さまでのびていた』というお(はなし)や『1(にち)に1~2メートルのびた』という記録(きろく)があるとか,いろいろ()われているけど,まんざらうそでもなさそうだということが()かったよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「へえー,おもしろい実験(じっけん)ですね。わたしにもできるわ。今度(こんど)やってみよう。」

今回(こんかい)は,2(ほん)だけだったし,時期(じき)場所(ばしょ)などをかえたり,たくさん調(しら)べればいろいろ()かるね。天気(てんき)もいっしょに調べるともっといいかもね。」
モンタ博士

(たけ)()のつぶやき
 わしが,なぜそんなに(せい)(ちょう)するか,その()(みつ)(おし)えてあげよう。まず,植物(しょくぶつ)(くき)先端(せんたん)成長点(せいちょうてん)というものがあって,そこで細胞(さいぼう)分裂(ぶんれつ)させながら(すこ)しずつ()びるものなのだ。つまり,成長点は(ひと)つだな。ところが,(たけ)()()(あい)は,この成長点をいくつも()っているのだ。竹の子を(たて)()ると,たくさんの(ふし)()まっているじゃろう。この節に無数(むすう)の成長点が密集(みっしゅう)した成長帯(せいちょうたい)があって,(いっ)()に,細胞分裂をして節と節の(あいだ)を伸ばすのじゃな。成長点を一つしか持たない普通(ふつう)の植物が1センチ伸びたとすると,数十個(すうじっこ)の成長点を持つ竹の子は,単純(たんじゅん)計算(けいさん)でも(すう)センチは伸びるというわけなのだ。まだまだ秘密があってな,竹の子の体内(たいない)に「ジベレリン」という成長(せいちょう)促進(そくしん)ホルモンを(おお)(ふく)んでいるのさ。このジベレリンが細胞を刺激(しげき)して成長を(はや)めているんじゃ。さらに,竹の子は(まわ)りの竹の子と地下(ちか)(けい)でつながっているんだな。竹の子は(ただ)しくは,竹の子ではなく,竹の(あたら)しい()だ。地下茎を(つう)じて(ほう)()(えい)(よう)(ぶん)をじゃんじゃんもらえることができる。これも一気に伸びることができる竹の子の秘密じゃよ。
   てくてく自然散歩シリーズ
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