3.動物の世界
(3)脊椎動物のなかま
(121)アマガエル君,登場
「モンタ博士! カエルをつかまえました。」
「ほほー。どれどれ,見せてごらん。お! こりゃ,アマガエルだね。この前は,みんなでカジカガエルを見ることができたし,今日はアマガエルに出合えたし,いろいろなカエルがいて楽しいね。」
「ほかにもいろいろなカエルがいるんでしょ。」
「そうだよ。いろいろいるらしいよ。あのね,モンタ博士はね。植物は25年以上,昆虫は10年くらい前からコツコツと観察してきたけど,今年はね,カエルをしっかり見ようと思っているんだよ。どんなことでも,テーマを見つけてお勉強するということは,それはそれは楽しいことだね。」
「それでは,いっしょにお勉強ということですね。モンタ博士!」
「そうだよ。分からないことは,おたがいに教え合えばいいのさ。さて,二人は,どんなカエルを知っているかな。名前を言ってごらん。」
「ヒキガエル!」
「トノサマガエル! それから,アカガエルというのもいるね。」
「それから,ウシガエルのオタマジャクシも見たわ。」
「モリアオガエルは,木の上であわあわにたまごを産むんだよね。」
「そうだね,そのくらいかな。カエルってね,昆虫みたいに種類が多くはないし,けっこう少ないのさ。みんなが住んでいる東京都では,10種類くらいしかいないんじゃないかな。カエルはね,もともと南の方に多い生き物なのさ。沖縄などには,いろいろな種類のカエルがいっぱいいて,カエル天国なんだ。」
「そうなんですか。モンタ博士に質問したいのですが。日本にはどのくらいいるんですか。」
「それに,カエルって,何のなかまなのかな。何に一番近い生き物なの。」
「そうだね,いい質問だね。その生き物が何のなかまかということや,どのくらいいるかは,とても大切なポイントなんだよ。」
「なるほど。ポイントをおさえるということが大切なんですね。」
「そうだよ。まず,カエルはね,イモリやサンショウウオなどと同じなかまで,両生類というのさ。」
「水の中や地上など,両方で生活するから,両生類というんでしょ。」
「そのとおりだね。そして,カエルは日本でも40種類くらいだよ。」
「そうなんですか。それから,もう一つ質問ですが,カエルの体がぬるぬるしているのは,どうしてなんですか。」
「これは,またいい質問だ。ぬるぬるというのは,ばい菌をふせいだり,体がかわいたりしないためのものさ。それに,あのぬるぬるにさわった後は,目をこすったりしないでね。生き物をさわったら,必ず手をよくあらおうね。」
アマガエルのつぶやき
ぼくは,アマガエルさ。正しい名前はニホンアマガエルというんだ。体長は3~4cmくらいで,メスの方がオスより大きいぞ。鼻から目,耳にかけて褐色の太い帯が通っているだろう。これが特徴なんだ。前足に4本,後足に5本の指があり,すべての指先に丸い吸盤があるんだ。それで,枝から枝へ飛び移ったり,ガラスに張りつくこともできるんだぞ。よく似たシュレーゲルアオガエルやモリアオガエルと比べると,ぼくは,体が小さく,目から鼻にかけて帯が出ることなどで区別できるぞ。