1.身近な自然の観察
(1)昆虫と植物
(106)虫たちのお気に入りの花って,どんな色?
「♪花屋の店先にならんだいろんな花を見ていた♪」
「あれ,SMAPの歌だ。」
「おいらも知ってる歌だ。」
「それじゃ,気分がいいので,もう少し歌っちゃおうかな。」
「あのー。もういいですよ。ところで,モンタ博士,花屋さんの花って,どうしいろいろな色がいっぱいあるのかな。」
「そうだね。花屋さんの花というのはね,品種改良といってね,作り出した花で色もいろいろあるのさ。」
「ふーん。そうなんですか。ところで,オー君は,どんな色のお花がすき。」
「そうだな,黄色もいいし,赤もいい,白い花っていうのもいいな。それに,むらさき色の花もけっこうすきだしな。こまっちゃうな。モンタ博士はどんな色のお花がすきですか。」
「そうだな。モンタ博士もこまっちゃうな。」
「モンタ博士,虫たちは,どんな色のお花がすきなんですか。」
「それがね,虫たちは,種類によって,すきな色がきまっているんだよ。」
「え! 本当ですか。」
「黄色がすきなのはアブタイプ,白色はコガネムシタイプ,むらさき色はミツバチタイプ,赤色の花がすきなのは,チョウタイプと言われているんだよ。」
「上のタンポポの写真をよーく見てごらん。アブがいるのが分かるかな。」
「アブは,早春いち早く活動を始めるんですよね。」
「アブは,ナノハナやタンポポなど黄色いお花が大すきなんだ。」
「黄色は春のイメージがしますね。」
「でもね,アブは昆虫の中では,それほどおりこうさんではないらしいよ。黄色い花なら,何でもいいみたいでね。これが,こまるんだね。」
「どうしてこまるんですか。」
「たとえば,ナノハナにとまったアブが,そのまま,ほかのナノハナに行けばいいけど,タンポポやその他の種類の黄色い花に行ったのでは意味がない。花にとってはとてもめいわくな話さ。」
「そうですね。」
「それはこまりますね。」
「そこで,黄色い花は,一つ一つ別にさくのではなく,群生(むらがって生えること)してさかせるようになったのさ。だから,タンポポやナノハナなど,黄色い花は,だいたい集まってさいていることが多いのさ。」