1.身近な自然の観察
(4)生物と日本人のかかわり
(103)十二支(ね・うし・とら・う・たつ・み・・・)
「ねえ,花ちゃん。今年はねずみ年だよね。でも,どうしてねずみなの?」
「そんなの決まっているでしょ。去年がいのしし年だったでしょ。だから,順番で今年はねずみ年。そして,来年はうし年ね。」
「ちょっと,ちょっとちょっと。そんなにかんたんに答えないでよ。おいらが知りたいのは,どうして動物を使って年を決めるかということさ。さる年があれば,チンパンジー年とか,ゴリラ年とかあってもいいんじゃんか。ヘビ年があるなら,トカゲ年なんかがあっても楽しいのにな。」
「ちょっと,ちょっとちょっと。ゴリラ年とか,トカゲ年なんてないわよ。」
「まあまあまあ,しずかにね。何をそんなに言いあらそっているの。」
「だって,花ちゃんが分かんないこと言うんだもん。」
「だって,オー君が十二支についてめちゃくちゃ言うんだもん。」
「そうか。十二支についてのお話か。花ちゃんは,十二支を全部言えるの。」
「ね(子),うし(丑),とら(寅),う(卯),たつ(辰),み(巳),うま(午),ひつじ(未),さる(申),とり(酉),いぬ(戌),い(亥)の12こでしょ。」
「え! 何だよ。今のは? ひょっとして宇宙人語かよ。」
「花ちゃんはよく知ってるね。本当は,五行,十干,十二支というんだけど,まあ,むずかしいお話はやめといて,何でこんなものがあるか知ってる?」
「おいらは,ちんぷんかんぷんだ。」
「古い中国でつくられたそうなんだ。今みたいに,ちゃんとした暦がないころ,年,月,時こく,方角を表したのさ。」
「そうなの。12の動物が順番にならんでいるのよ。」
「まあまあ,むずかしいお話よりも,楽しく十二支のぬりえでもしようよ。」
お化けは何時ごろに出るのかな?
「草木も眠る丑3つ時・・・ヒュルヒュルヒュル・ドロドロドロ」とお化けは出てくるものらしい。そこで,疑問が生じた。「丑3つ時」とは,はたして今の時刻で言うと,何時ごろになるのだろう? 困ったので,広辞苑で調べると,真夜中の2時から2時半ごろとなっている。丑が2時なら,「3つ時」とは? これまた疑問が残る。そこで,三鷹の国立天文台に電話して聞いてみた。すると,答えはこうだ。昔の丑の時刻とは,午前1時から3時ごろまでを指すとのことで,かなりアバウトだ。となると,30分刻みで考えていくと合点がいく。謎は解けた。お化けが出る時刻もはっきりと分かった。でも,お化けがいるかどうかの謎はまだ残る。いずれにしても,真夜中の2時から2時半ごろは要注意だ。