2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
(96)アオキの鉄砲遊び
「あれ? 花ちゃん。何やってるの。」
「アオキの実で遊んでいるのよ。アオキのてっぽうよ。」
「え! どうやって遊ぶの。おいらにも教えておくれよ。」
「えっへん。それでは,花ちゃんの草花遊び教室の始まり始まりです。まず,アオキの実を取って,元の方をつめで少しけずるのよ。こうやって,こうやって,4分の1くらいけずるのよ。」
「それから,それから,どうすんの。」
「親指と人指し指ではさんでから,エイッと,とばすのよ。人の顔に向けてやってはだめよ。これで,花ちゃんの草花遊び教室はおしまい。」
「へえーっ! なるほどなるほど。でも,ちょっとむずかしいかな。」
「そんなことないわよ。何回かやっているうちに,上手になるわよ。」
「どれどれ,モンタ博士にもやらせてほしいね。エイッと。」
「うわあー,モンタ博士は上手だな。」
「もちろんさ。小さいころにいっぱい遊んだもんね。草花遊びって,遊んでいるうちに,植物のいろいろなようすを知ることができるんだね。実の大きさやつるつる感などなど。」
「草花遊びって,とってもためになる遊びなんですね。」
「そうだね。植物を観察するのには,見る,さわる,においをかぐ,味をみる,音を聞くなどの五感を活用することが大切だけど,モンタ博士は,6つ目として,『あそぶ』ということも大切なことだと思うね。」
アオキ
アオキのつぶやき
初めまして,おいらはアオキ。なぜ,アオキという名前になったとかいうと,枝や幹が青っぽいので,アオキとなったらしいんだ。でも,ちょいと待てよ。アオキといっても青くはないぜ,緑色だろうと文句をいう人がいるかもしれないが,青とは,ブルーからグリーンまで範囲が広いんだな。そう言えば,アオゲラという鳥も,羽の色が緑色だね。なお,アオキの全世界共通語の学名は,Aucuba japonica (アウクバ・ヤポニカ)というそうなんだ。ちょいと難しい話になってごめん。結局,名前なんてけっこう単純さ。青いからアオキ,たけえからタケ(竹),まっすぐだからまっすぎで,そんでスギ(杉)。カエルの手みてえだから,かえる手,そんでカエデ(かえで)になったというわけなのさ。