トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
(90)ツリフネソウのつぶやき
オーくん
「あれ? (はな)ちゃん,そのお花,どうしたの。」

花ちゃん
「いいでしょ。きれいでしょ。お(やす)みの(みっ)()(かん),ずうっと(あめ)だったけど,きのう()()から雨がやんだでしょ。それで,おうちの(ひと)学校(がっこう)うらの湿地(しっち)()ってとってきたのよ。」

オーくん
「へえー,すごいな。()せて()せて!。」

花ちゃん
「5(ねん)(せい)のお(こめ)も,もうすぐイネかりするころだけど,体育館(たいいくかん)のうらの湿地(しっち)には,いろいろなお(はな)がいっぱいさいているのよ。それはそれはすばらしいの。」

オーくん
「へえー,おいらも()ってみようかな。ところで,そのお(はな)なんていうの。」

花ちゃん
「よく()いてくれました。このお(はな)は『ツリフネソウ』といいます。」

オーくん
「え? (ふね)をつるの?」

花ちゃん
(はな)(かたち)(ふね)見立(みた)てて,(なが)()(さき)につり()がっているみたいだから,ツリフネソウ(()(ぶね)(そう))というのよ。」

オーくん
「へえー,うまく()(まえ)をつけたもんだね。」

花ちゃん
「そうね,ぴったりの()(まえ)ね。」

オーくん
「ところでさ,この(はな),どこかで()た花ににているよ。」

花ちゃん
「え? (なん)というお(はな)?」

オーくん
「そうだ。ホウセンカだ。(はな)がぶら()がっているだろう。それに,みずみずしいくき,やわらかそうな()っぱ。やっぱりホウセンカの仲間(なかま)だ。」

「そのとおりだね。植物(しょくぶつ)といってもいろいろあるけど,どこかにているところがあるさ。そういう仲間(なかま)()というのさ。ところで,ホウセンカの仲間って,()(じゅく)すとパチンとはじけるのを,()ってる。」
モンタ博士

オーくん
「そうか,パチンとはじけるのか。おもしろそうだ。さあ! ()けー!」

花ちゃん
()ってー! (わたし)()くー!」

体育館(たいいくかん)のうらは(くさ)がたくさんしげっているから,()をつけて()くんだよ。」
モンタ博士

写真
写真
ツリフネソウ
ツリフネソウのつぶやき
 花屋(はなや)さんに(なら)外国(がいこく)(いろ)とりどりの(うつく)しい(はな)見慣(みな)れると,日本(にほん)野草(やそう)はどこか地味(じみ)でさびしい(かん)じもするらしいけど,(わたし)別格(べっかく)よ。まず,花の(かたち)がおもしろいでしょ。それに,花の(うし)ろがくるりと()()がっているのもおしゃれでしょ。そのくるりとした(なか)には(みつ)がたくさんあるの。それで,ハナバチくんたちが私のところにしょっちゅう(あそ)びにくるのね。ところで,私やホウセンカは()(じゅく)すと,パチンと()れるのよ。種子(しゅし)自動(じどう)散布(さんぷ)するのね。私たちの(ぞく)名前(なまえ)学名(がくめい)でインパチェンスというの。これは英語(えいご)のimpatientと(おな)じで気短(きみじか)意味(いみ)なの。さわったとたんに実がはじけるからかしらね。仲間(なかま)には私と同じ姿(すがた)黄色(きいろ)い花を()かせるキツリフネというお友達(ともだち)がいるの。その学名はimpatiens noli-tangere (インパチェンス・ノリタンゲレ)というの。noli-tangereは(われ)にさわるなの意味のラテン()よ。「さわっちゃいや。おこるわよ。」という意味かしら。
   てくてく自然散歩シリーズ
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