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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (6)チョウ・ガのなかま
(78)もっとりたいミノムシの不思議ふしぎ
写真
花ちゃん
「モンタ博士(はかせ),ミノムシというのは,『ガ』の仲間(なかま)というのは()かったわ。それから,「みの』というのが,わらなどで(つく)った(むかし)雨具(あまぐ),つまりカッパみたいなものというのも分かったわ。」

「それは,それはよかったね。それで,まだまだ,質問(しつもん)があるのかな。」
モンタ博士

花ちゃん
「ミノムシの『みの』は,とってもじょうぶそうですね。いったい,あの『みの』はなんでできているんですか。」

「とってもいい質問(しつもん)だね。オー(くん)()っているかな。」
モンタ博士

オーくん
「たしか,(なに)かの(ほん)()んだけど,ミノムシは,かれ(くさ)やかれ(えだ)(あつ)めてるんだよね。」

「そうだね。それから,それから。」
モンタ博士

オーくん
「その(あつ)めたものを,自分(じぶん)(いと)()しながらおうちにしていくんでしょ。」

「よく()ってるね。さすがは,オー(くん)昆虫(こんちゅう)博士(はかせ)だね。」
モンタ博士

オーくん
「すっごいじょうぶな,がんじょうなおうちなんだ。()()ろうとしてもなかなか切れないよ。」

(なん)でそんなにがんじょうに(つく)るんだろうね。(はな)ちゃん(かんが)えてごらん。」
モンタ博士

花ちゃん
「それは,(かぜ)(みず)やかんそうを,このミノで(まも)るということですか。」

「そのとおりだね。いろいろと工夫(くふう)しているんだね。『みの』をやぶいて,その(あと)(いろ)(がみ)や色つきの()(いと)などをおいとくと,きれいなカラフルな『みの』になるよ。ぜひ,実験(じっけん)してごらん。ところでさ,ミノムシというのは,とっても有名(ゆうめい)昆虫(こんちゅう)だけど,不思議(ふしぎ)なことが,まだまだいっぱいあるんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それは,どういうことですか。」

「ミノムシ,つまりミノガというのはね,メスがとっても()わり(もの)でね,成虫(せいちゅう)になっても(はね)もないし,しょっかくもないんだ。」
モンタ博士

写真
オーくん
「それじゃ,(そら)()べないな。」

「そうだよ。みのの(なか)から一生(いっしょう)()ぬまで一歩(いっぽ)(そと)()ないんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「へえー,()わった(むし)ですね。」

オーくん
幼虫(ようちゅう)から成虫(せいちゅう)になっても(はね)がなくて,しょっかくもなければウジムシみたいなの。オスはちゃんとしているの。」

「オスには(はね)もしょっかくもあって,ガの(かたち)をしているんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ちょいと()ってくれ。ということは,交尾(こうび)はどうするんだろう。メスがずうっとみのの(なか)(はい)っていたら,どうやって交尾するの。」

「それが,ミノムシのまたまた()わっているところなんだ。(うえ)()()てごらん。メスは()にぶら()がっていて,ウジムシみたいだろう。(あたま)(した)にあって,そこから,におい(フェロモン)を()してオスをよぶのさ。」
モンタ博士

オーくん
「なるほど,なるほど。(はね)のあるオスはオシリから(なに)()しているよ。」

「それは,交尾器(こうびき)というものさ。メスの交尾器は(おく)にあるから,オスは交尾器をずうっとのばさなくちゃいけないのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ふーん,なるほどね。ミノムシもいろいろと苦労(くろう)しているんですね。」

「だから,(むし)世界(せかい)自然(しぜん)の世界というのは,おもしろいんだね。」
モンタ博士

ミノムシ哀歌(あいか)
 (むかし),ミノムシは(おや)()れない「(おに)()」とよばれた。平安(へいあん)時代(じだい)才女(さいじょ)清少納言(せいしょうなごん)は『(まくら)草子(のそうし)』に,「みのむしいとあはれなり,鬼の()みたりければ・・・」「(かぜ)(おと)()()りて八(がつ)ばかりになれば,『ちちよちちよ』とはかなげに()く,いみじうあはれなり」と()いている。今風(いまふう)()えば,ミノムシ哀歌(あいか)であろうか。
   てくてく自然散歩シリーズ
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