3.動物の世界
(7) ハチ・チョウ・ガ以外の昆虫のなかま
6.その他
(1) 動画で楽しむ世界
(66)風船虫ってどんな虫?
「あれ? これはなんですか。色紙がういたりしずんだりしているわ。」
「これは,風船虫というものだよ。正しくはコミズムシというんだ。」
「風船虫? 聞いたことのない虫だな。それに,何だかかゆくなる感じだね。」
「よーく,見てごらん。どんな動きをするか,じいっと見てみよう。」
「あ! 今,もぐっていったよ。あ! 赤い色紙をつかんだわ。」
「あれあれ? 今度は,赤い色紙を持ったまま,うかんでいくぞ。」
「どうするのかな? あれ,上まで行ったわ。あ! 色紙から手をはなしたわ。」
「色紙がまた落ちていくぞ。あ! また,ちがう風船虫が色紙を持ってうかんでいくぞ。こりゃ,おもしろいや!」
「手をはなした風船虫は,すぐにまたもぐるのね。何だか,とってもかわいい虫ですね。」
「いろいろな色の色紙がうかんだりしずんだり, とってもきれいだね。」
「そうね。私,風船虫,気に入っちゃった。」
「色紙が上に行ったり,下に行ったりするのが楽しいね。このようすが紙風船をついた時にそっくりなので,風船虫という名前がついたんだよ。」
「でも,どうして,そんなにうかんだりしずんだりするのかな。」
「それから,この虫は何のなかまなんですか。」
「このコミズムシというのはね,水生のカメムシみたいなものだよ。おなかのところにたくさんの毛のようなものがついていて,その中に空気をためているのさ。」
「ということは,うきぶくろを持っているようなものなんですね。」
「そうなんだ。だから,いつも何かにつかまっていないと,ういてしまうのさ。」
「草の茎や石ならば動かないけど,色紙だとういてしまうんですね。」
「そうだね。本当に変な虫はすごい虫,おもしろい虫だね。」
「ところで,だれが,こんな遊びを思いついたんだろう。」
「だれが思いついたんだろうね。こんな話を聞いたことがあるよ。このコミズムシは明かりを求めて飛ぶことがあるそうなんだ。ある日,ある時,ある場所で,あるおうちの電灯の光を求めて飛んでいったんだ。そしたら,つかれて,飛ぶのをやめて落ちた所が,お茶のコップの中だったらしいんだ。そして,すぐにもぐっていって,お茶がらを持ってうき上がったということさ。」
「ふーん。本当かどうか分かりませんが,何だかありそうなお話ですね。」
風船虫のつぶやき
いやー! 初めまして。おいらはコミズムシでやんす。最近,めっきりとおいらのなかまたちが少なくなったみたいでさびしいね。でも,上川口小学校の裏の谷戸は,自然がいっぱい,自然の宝庫なんで,おいらも生きていけるってことでやんす。でもよ,だれが始めたかは知らねえけどよ,おいらだって疲れるよ。しょっちゅう上に行ったり,下に行ったりとよ。コミズムシのメタボリック症候群なんて聞いたことねえよ。でもよ,運動することはいいことだ。また,えささがしの旅をしながら浮いたり沈んだりするか。