3.動物の世界
(7)ハチ・チョウ・ガ以外の昆虫のなかま
(57)トンボの羽について・グループ分けとその特徴
ハグロトンボの成虫
「この前のトンボのお話は,とってもお勉強になったわ。あれ,このトンボ,どっかで見たことがあるけど,オー君,何という名前のトンボなの。」
「これは,羽が黒いだろう。だから,ハグロトンボというのさ。」
「ふつうのトンボとずいぶんとちがうようね。」
「花ちゃん,ふつうのトンボってどういうトンボのことをいってるのかな。トンボといってもいくつかのグループがあるんだよ。」
「ふーん,そうなんだ。なるほどね。」
「ジャーン,できあがり。トンボのグループ表だぞい。どうだ,すごいだろう。」
グループの名前 |
それぞれのグループのとくちょうなど |
カワトンボG |
体は大きいが細長い。複眼がわりと小さく,両方がはなれている。
|
ヤンマG |
体が大きくがんじょう。複眼は左右が一直線にくっついている。
|
イトトンボG
|
体が小さくて細い。複眼がはなれている。幼虫には3枚のえらがある。
|
サナエトンボG
|
体が太く,複眼ははなれている。前ばねは細長く,後ばねは三角形。
|
トンボG
|
体が太く長くない。複眼は左右が上でつく。産卵管がなく産み落とす。
|
アカトンボG
|
ふつう体が黄・赤・かっ色でアカトンボ類とよばれる。
|
「パチパチパチ。すごいね。オー君,よくできました。」
「どれどれ,なかなかいいね。さすがオー君だ。それぞれの種類のトンボの名前を知ることも大切だけど,大きなグループで分かっていることの方が重要なんだね。全部の名前は覚えきれないし,覚える必要もないしね。」
「ところでさ,花ちゃん,ヤゴって見たことあるよね。」
「もちろん,あるわ。」
「でもね,花ちゃんが見たことのあるヤゴって,オニヤンマやアカトンボ類のヤゴだと思うよ。カワトンボのヤゴってまったくちがう形をしているんだ。おいらが撮った写真を見てね。見比べるといいよ。」
オニヤンマ
ハグロトンボ
「うわー,まるで水カマキリみたいですね。やっぱりヤゴは水の中にいて,小動物を食べたりするのかな。」
「そうだよ。生きたえさしか食べないから,飼うのがとても難しいのさ。」
「今日はいろいろなトンボの仲間について,お勉強できてよかったね。トンボにもいろいろな形があるけど,ヤゴもそうなんだね。おもしろいことが分かってよかったね。」
「モンタ博士,それで終わらないでよ。まだまだ,おどろき,サプライズがあるんだ。」
「何々,まだあるの。」
「あのね,ヤゴは水の中にいて,生きたえものをとるだろう。そのときにね,な,な,何と,あごが伸びるんだ。オニヤンマなんか,下あごが2~3センチも伸びるんだ。まるでエイリアンみたいだぜ。」
「見たい。見たい。私をヤゴ観察に連れてって・・・。」
そして,二人でエイリアンに会いに行ったとさ・・・。
秋津の国とは…
秋津とはトンボ(蜻蛉)の古名であり,トンボが多く生息するような水のきれいな国であったのだろう。神武天皇が大和の山上から国見をして,トンボが臀なめ(トンボが交尾して輪になり飛ぶこと)せるがごとくといわれたという故事から秋津島の国とは我が国の別称でもある。