3.動物の世界
(1)動物の生殖
(6)チョウ・ガのなかま
(19)昆虫の数と特徴について
「モンタ博士。ぼく,もうプンプンだぜ。」
「どうしたね。オー君。」
「だって,このごろ,てくてく自然散歩に虫のことがぜんぜん出てないもん。」
「あー,ごめんごめん。では,
昆虫のこと,
何でもいいから
聞いてごらん。」
「じゃあね,モンタ博士,昆虫ってどのくらいいるの?」
「おっと,その前にモンタ博士から質問だよ。地球にはどのくらいの人がいるでしょうか?」
「私,知ってるわ。たしか,77億人くらいだったかな。」
「さすが,大きな数を勉強しただけあるね。では,昆虫は?」
「ぼく,知ってるぜ。100万種類くらいだ。」
「77億の人間と100万の昆虫では,どっちが多いの?」
「決まってら,昆虫さ! あれ? 人間の数の方が多いな。あれ?」
「オー君,あわてないで,昆虫は種類の数でしょう。人間をふくめたサルなどのほにゅう類(おっぱいを飲んで大きくなる動物)の種類数は,どのくらいなの? モンタ博士。」
「待ってました。いいこと聞くね,花ちゃん。 ほにゅう類のなかまは,たった4,000種しか いないんだよ。昆虫は100万種といっても 本当は,300万,いや500万,1,000万種類いるかもしれないといわれているんだよ。」
「いったい,昆虫はどれだけいるの?」
「どれだけか分からないけど,すべての動物の4分の3は昆虫ということらしいからね。その数は,もうめちゃくちゃ,ちょーめちゃくちゃ,たくさんいるということは確かだね。」
「ふーん。分かったような分かんないような??? ところで,モンタ博士,昆虫というと,ぼくは,すぐに,チョウや,カブトムシ,セミ,バッタとか考えてしまうけど,それぞれどんな特徴があるの?」
「そうだな。オー君は,何が一番好きなのかな。」
「こまっちゃうな。カブトもいいし,バッタも好きだし,でも,やっぱチョウかな。」
「それでは,今日は,チョウについてくわしくお話ししよう。」
「モンタ
博士,
私は
前から
知りたかったんだけど,チョウとガはちがうんですか?」
「オー君がいろいろ勉強しているから,聞いてみようか。」
「エッヘン。まずチョウもガも同じなかまだということです。よく,チョウはきれいで,ガはきたいないというけど,あれはウソです。ガだってきれいなものもいるし,チョウだって変な色をしているのもいるしね。」
「オオミズアオというガはきれいだよね。」
「そのとおり。また,夜飛ぶのがガで,昼に飛ぶのがチョウというけど,それもウソですね。スズメガのなかまには,昼に飛ぶやつもいるんだ。」
「よく知ってるね。オー君。さすがは虫博士だね。」
「一番のちがいは,触覚なんだ。ガの触覚は,先がとがっていたり,くしのようになっているけど,チョウは先が少し丸くなっているんだ。このくらいのちがいだよね。モンタ博士。」
「そのとおり,分かったかな。ところで,さっき話してたチョウのなかまのいろいろなグループについては,また今度お話ししましょう。」
オオムラサキからひと言,ごあいさつ!
どうもぼくのことを誤解している人間が多いようですね。ぼくは,国蝶ということで,日本にしかいないと思っているだろう。そうじゃないんだな。中国,朝鮮半島にもいるんだぜ。
国蝶になったのは,1957年に日本昆虫学会総会で決めてくれたからなのさ。それから,ぼくはね,チョウの中でも,切手にまでなってしまって有名になっちゃったけど,いる所にはいるんだぜ。ぼくの美しいすがたを見てくれよ。それはそれは,かっこいいというか,とってもステキなんだ。飛び方だって,モンシロチョウみたいに,ひらひらなんて飛ばないぜ,堂々と滑空するんだぞ。山梨の北杜市に『オオムラサキの里』という所があるんだ。なかまも多くてそれはそれはいい所だよ。まあ,一度遊びに来て見てくれよ。