【事例7】懸賞,アンケート,ファンクラブへの入会
懸賞,アンケート,ファンクラブとは?
みなさんは,どんなときにインターネットを利用していますか?
ゲームをしたり,好きなアニメやタレントのページを見たりすることも多いのではないでしょうか。そのようなページには,アンケートに答えるとプレゼントがもらえたり,懸賞に応募する資格をえられたりするなどの楽しい企画が用意されているところもあるようですね。また,インターネット上には,同じタレントやアニメなどが好きな者どうしが集まって結成されるファンクラブなどの紹介もいろいろあり,あなたの友達にも入会して楽しんでいる人もいることでしょう。それらに入会する際には,個人情報を記入したり,保護者の同意を求められたりすることがあります。実は,その中には,あなたたちや家族の情報を収集し,違う目的で利用しようとする悪意を持った人もいて,それをわざと子どもにわかりにくくしているケースもあるのです。自分だけで判断してしまうのはとても危険なことです。自分や家族の情報を書きこまなければいけないような場合には,必ず,家の人の許可をえてからにしましょう。
問題事例
5年生のY君は,アニメ「サッカー少年A」の大ファンです。インターネットで情報をえようと検索していると,その中の1つのファンクラブが「今,ファンクラブに入会すると抽選で10名様に,少年Aのサッカーボールをプレゼント。入会金は無料です。」というキャンペーンをやっていることがわかりました。Y君は「無料だから家の人に相談しなくてもいいし・・・・・・よし,入会しよう。」と早速,入会することにしました。登録ページでは,自分の名前や住所・電話番号・E-mailアドレスの他に,家族の名前や,両親の職業,保護者の同意の有無なども書くところがありました。「家の人に聞くのはめんどうだなぁ。いいや,許可をもらっていることにしてしまおう。」と,保護者の同意も得ていることにして登録しました。それから,週に1度「サッカー少年A」についての情報が掲載されたメールが届くようになりました。Y君はファンクラブに入会して良かったなと思っています。しかし,お目当てのプレゼントは抽選日を過ぎても連絡がなかったので,残念ながらはずれてしまったようです。
数日後,お母さんがY君にたずねました。「ねぇ,Y。最近セールスの電話がよくかかってくるのよ。あなた誰かにうちの電話番号を教えなかった? 電話帳に載せていないから,セールスの電話はめったにかかってこなかったのに・・・・・・。」
問題への対応
どんな場合であっても,自分や家族の個人情報を書きこむような場面に出くわしたら自分だけで勝手に判断せず,家の人に相談してからにしましょう。
人気アニメやフアンクラブなどへの入会には,あなたたち子どもだけでなく,家族の個人情報を集めることを目的にしているケースもあるのです。法律によって,個人の情報を集める際にはその利用目的をはっきりさせることが決められていますが,悪いことに悪用しようと思っている人は,わざとそれをわかりにくくしていることがあります。そのようなサイトへ「家の人の許可をえている」と記入してしまうことは,家の人もその悪い利用の仕方について認めているということになるのです。自分や家族の情報は,家の人への相談なしに勝手に書きこんではいけません。
集められた個人情報は,セールスの電話や手紙を送ることだけでなく,振り込め詐欺や誘拐などの犯罪に利用されてしまうかもしれません。とてもこわいことです。
心当たりがあったら,すぐに家の人に相談しましょう。大人であれば,相手の会社に利用を止めるお願いをしたり,法律を利用して相談できるところへ相談したりするなど,適切な対応ができるでしょう。
明日への対策
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自分や家族の情報を書きこむような場面に出くわした場合には,必ず家の人に相談してから入力,送信するようにしましょう。
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「甘い話にはわながある」といわれますね。みなさんの興味関心を引くようなプレゼントや楽しい企画には,もしかして,悪いことに利用しようと考えている人がいるかもしれません。十分に注意して,正しく,楽しく,利用できるように心がけましょう。
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うっかりと個人情報を記入してしまった場合には,自分だけで何とかしようとしないで,すぐに家の人へ知らせましょう。そして,適切な対応をしてもらうようにしましょう。