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香川県の県名は,県域のほぼ中央部に位置する香川郡の郡名に基づい
ています。また香川郡の地名は,香川郡の奥山にある樺河(かばがわ)という里に香り高い樺の古木があり,その香りが郡の中央
を流れる川を通じて郡内に漂っていたことから郡名が香川郡,川の名前が香東(こうとう)川とされたといわれています。
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香川県の面積は 1,875km2であり,
全国47都道府県中,最も狭い県です。しかし1988(昭和63)年10月1日までは,香川県は46位で47位は大阪府でし
た。どうして順位が逆転したと思いますか。実は香川県の面積が減少したことによるのです。面積が減少するとは非常に考えにく
いことですが,次のような事情がありました。
香川県には実に多くの瀬戸内海の島々がありますが,この中に井島という島があります。この島は南側の約3分の2が香川郡直 島町(なおしまちょう)に属していますが,北側の約3分の1は岡山県玉野市に属しています。島内の陸地部分は尾根線によって 県境が明確になっていますが,海岸部分は漁業権の問題などから,江戸時代より玉野側の主張と直島側の主張が対立し,現在でも 境界不確定のままとなっています。 日本の国土面積や,都道府県や市町村の行政面積などは国土地理院が作成する地形図によって,計算されています。 1988(昭和63)年10月1日までは国土地理院は5万分の1の地形図によって,計算していましたが,より精度を増すため に,この日より規準となる地図を2万5千分の一の地形図に変えました。この結果,井島の香川県側と岡山県側の境界が不確定の ままであることが判明し,香川県の行政面積からこの井島を含む香川郡直島町の面積14.2km2を削 除(さくじょ)することとなったのです。 |
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香川の観光資源の一つに瀬戸の多島美があります。瀬戸内海を挟(は
さ)んで岡山県と向かい合っていますが,その間に浮かぶ島々のほとんどが香川県に属しています。その中で最も大きな島が小豆
島(しょうどしま)です。明治政府により香川,三重,鹿児島の三県に移植されたオリーブが,小豆島だけで成功しました。温暖
で日照時間の長い気候の小豆島は,地図でみると地中海の南岸とほぼ同じ緯度に位置しています。
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香川県は,徳島県や愛媛県との間で独立と併合を繰り返した
後,1888(明治21)年に,ようやく香川県として発足しました。高松藩の城下町であった高松が県都高松市として発足した
のはさらに2年後の1890(明治23)年のことです。
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高松近辺の家庭では,お正月の雑煮(ぞうに)は白味噌(みそ)仕立
てであんこの入ったお餅を入れます。転居してきた人は一様に驚き,気持ち悪くて食べられないといいます。香川県は江戸時代よ
り「讃岐三白(さぬきさんぱく)」(砂糖,塩,綿)の産地として栄えました。塩や綿は温暖で降水の少ない気候を背景としたも
ので,砂糖は温暖な気候と水はけのよい地質を利用したものです。特に砂糖は日本一の生産高を誇り,日清(にっしん)戦争後,
台湾を日本の植民地とし,国産糖に比べて安価な台湾糖が日本に輸入されるようになるまで栄えていました。前述の慣習は,砂糖
の大産地である香川の人々が,お正月のお餅に当時は高価で日常は食することのできない砂糖と小豆(あずき)で作ったあんこを
入れ,これを雑煮に入れて新年を祝ったことに由来するものです。かつて糖業の町といわれた大川郡白鳥町(しろとりちょう)
は,現在は日本一の手袋生産の町に変貌(へんぼう)しています。
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