NO.72

オオマツヨイグサ・・・夜咲く花

オー君 「ねえ,花ちゃん,きょうは,ホタルがたくさん見られてよかったね。」
花ちゃん 「そうね。わたし,ホタルだーい好き。」
オー君 「ホタルが見られたり,いろいろな虫に会えたりして最高だね。」
花ちゃん 「そうね,季節ごとにいろいろな花がさいて最高だわ。」
モンタ博士 「そうだね。これからもどんどん自然のすばらしさを見つけていこうね。」
そんなわけで,みんなで「ホタルを見る夕べ」が終わり,おうちに帰る,その時…。
オー君 「あ! なんだ。今の黄色の?」
花ちゃん 「見た見た! 私も見た。」
モンタ博士 「二人ともよく気がついたね。それじゃ,みんなで見に行こうか。」
花ちゃん 「うわあー! 大きな花!」
オー君 「クンクン,クンクン,におうね,このお花。」
花ちゃん 「この花,何ていう名前なの。」
モンタ博士 「これはね,オオマツヨイグサというんだよ。それからツキミソウ(月見草)ともいうね。」
花ちゃん 「どうして,この名前になったの。」
モンタ博士 「オオとは大きいという意味だね。待(ま)つ宵(よい)の宵とは,夜という意味なんだ。夜を待つようにして花をさかせるということなんだ。」
花ちゃん 「どうして,こんなににおうんですか。」
モンタ博士 「どうしてだろう…,考えてごらん。」
オー君 「花は,虫たちによく見えるように,きれいな色の花をさかせるんだよね。でも,夜だと,その色が見えない…。あ! そうか。色のかわりににおいで虫をよびよせるんだ。」
モンタ博士 「そのとおり,ピンポーン。夜に花をさかせるものは,強いにおいを出すものが多いね。それから,暗くても目立つように白や黄色の花が多いんだよ。」
オオマツヨイグサ

▼オオマツヨイグサのつぶやき

 私は,明治時代に日本にやってきた帰化植物です。宵待草(ヨイマチグサ)とか,月見草(ツキミソウ)とかよばれますが,正しい名前は,オオマツヨイグサといいます。私の名前を一躍有名にしたのは,太宰治(だざいおさむ)と竹久夢二(たけひさゆめじ)という人です。
 太宰治の『富嶽百景』の中に,「富士には,月見草がよく似合う。」という一節があるそうです。また,竹久夢二の「宵待草」の歌詞に「♪待てど暮らせど来ぬ人の宵待草のやるせなさ♪」とあります。お二人に,この場をお借りし,心より感謝申し上げます。

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