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どうしたの? うわあー! たくさんチョウをとったね。」 |
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そうだな。チョウをとるだけでも楽しいけどね,もう少し科学的にいろいろと調べてみるのもおもしろいよ。」 |
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特別にむずかしくはないよ。例えば,いつ,どこで初めて見たとか,採(と)ったとか。それだけをノートに書いておくだけでもいいんだよ。それをまとめると,チョウチョのカレンダーができるね。そうすれば,もうりっぱな研究になるよ。挑戦(ちょうせん)してみるのも楽しいね。それから,標本を作るのも科学の第1歩だと思うよ。」 |
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でも,モンタ博士。チョウの標本を作るのって,なんだかかわいそう。お母さんにいつも,生き物を大切にしなさいと言われているし……。」 |
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そうだね。むやみに採ったり,きずつけるのはよくないけどね。自然を守るということは,いったいどういうことなんだろうね。そこを考えてみようよ。 何も知らないで,虫は気持ちが悪いから,見るのもさわるのもいやでは,本当の自然の姿は見えてこないよ。何という名前のチョウかをしっかりと調べ,しっかりとした標本を作り,そのチョウの生態(せいたい)といって,生きているいろいろな様子を知ることが本当の自然を守るということだと思うんだけどな。チョウチョはそのうち羽もぼろぼろになってしまうけど,標本にしておくと,いつまでも,その美しいすがたを残せるしね。標本づくりは,チョウに第二の命をふきこむことなんだよ。」 |
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ふーん。ちょっと分かったような,分かんないような……。」 |
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ぼく,よく分かったぜ,ようするに,チョウを採ることは,悪いことじゃないということだよね。モンタ博士!」 |
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そうだよ。あわてて分からなくてもいいよ。それよりも花ちゃんもオー君も自然の世界を知るということは,とってもすばらしいことなんだよ。このことは,よく覚えておいてほしいね。」 |
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でも,モンタ博士。チョウを採ることは,自然破壊(はかい)につながるんじゃないの。チョウを採ると,私たちの周りの自然がなくなっちゃわないの。」 |
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自然破壊ね。むずかしい言葉を知ってるね。それは,またゆっくりとお話ししてあげるね。」 |
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