NO.60

花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ

□風散布(さんぷ)で飛ぶ植物たちのパレード

花ちゃん 「オー君,この前の『ひっつき虫』のお話はとっても楽しかったわね。」
オー君 「そうだったね。植物は自分では,体を動かすことができないから,いろいろな方法で,自分の子どもたちを遠くへ遠くへと移動させるんだね。」
花ちゃん 「ところでさ,オー君。植物はほかの方法でも種を遠くへ移動させているよね。」
オー君 「ひっつき虫は,くっついて遠くへ行くでしょ。そのほかといったら,どんな方法があるかな。くっつく以外といったら,ほかには,風をたよりにするしかないかな。あ,そうか。風だ。」
花ちゃん 「そうよ。タンポポの綿毛って,風に吹かれて飛んでいくでしょ。」
オー君 「そうだった。綿毛を思い切りフーと吹いたら,落下傘(らっかさん)みたいだったな。」
花ちゃん 「下に種がついているけど,上にはとっても細い毛がついていて,フワフワ飛ぶのね。」
オー君 「ねえねえ,花ちゃんは植物博士だよね。同じように綿毛がついていて,空をフワフワと飛ぶものにどんな植物があるかな。」
花ちゃん 「そうね,いっぱいあるわ。例えば,同じキク科のノゲシなどもあるし,ススキも風によく飛ぶでしょ。それから,ガガイモやキンポウゲの仲間にも多いわ。」
くず
風散布で飛ぶ植物たち
オー君 「さすがは,花ちゃんだね。よく知ってるね。尊敬しちゃうな。綿毛で飛ぶものってけっこうあるんだね。ところでさ,綿毛以外に風に飛ぶようなものってないのかな。例えば,飛行機の羽とかプロペラのようなものとかさ……。」
花ちゃん 「そうね。綿毛のようにふわふわでなくて,羽をもってひらひらと飛ぶようなものね。うーん。ちょっと,待ってね。考え中ね……。あ! あった。」
オー君 「え! 何かあるの。花ちゃん。」
花ちゃん 「思い出したわ。この前,校庭のカエデの木で遊んだでしょ。カエデよ。」
オー君 「そうか。カエデにはおもりみたいなところがあって,それに,うすいところはプロペラの羽みたいになっていたぞ。」
花ちゃん 「それで,くるくると回転しながら舞うようにひらひらと落ちていったわよね。これも飛ぶということじゃないかな。」
オー君 「カエデだけじゃないよね。ほかの植物でも羽やプロペラみたいになっているのが必ずあるはずだよ。」
花ちゃん 「マツやモミ,それからヤマユリなどのユリの仲間,アキニレやギシギシなどにも種の周りにつばさのようなものがついているわ。」
オー君 「なーるほど。植物だって仲間を増やしたいんですね。いろいろな方法で動いているんですね。あれ? モンタ博士,さっきからお話に参加しないで,一人で何をこそこそと作っているの。」
モンタ博士 「ジャンジャカジャーン。ジャジャジャジャンジャカジャーン。」
花ちゃん 「モンタ博士,どうしちゃったんですか。」
モンタ博士 「ついに,ついに,できあがり。完成だ。モンタ博士特製のカエデの実の実験模型だ。ハサミで切り抜いて,クリップをつけて飛ばしてみよう。どんな動きをするかな。色エンピツで色をつけても楽しいかもね。」
くず
カエデの実の実験模型

▼種子散布タイプいろいろ

 植物はさまざまな方法で種子や果実を散布している。風散布型のものは,果実や種子に翼(つばさ)や羽毛を持ち,風に飛ばされやすくなっている。付着型のものは毛やとげ,あるいは逆針(さかとげ)を持っていたり粘液(ねんえき)を分泌したりして動物の体に付着して運ばれる。被食型(ひしょくがた)のものは,目立つ色の果実をつけ,それが鳥などに食べられることによって種子を散布する。重力散布型のものは,球形で重い果実や種子をつくり落下したときに地面に転がりやすい。水散布型のものは,果実や種子が水に流されて散布し,海水に運ばれるものもある。自力散布型のものは,果実にいろいろな物理的仕組みがあって機械的に自力で種子を散布する。


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