ツクシだれの子,スギナの子
「♪つくしの子がはずかしげに顔を出します。もうすぐ春ですね♪」 | |
「あれ,モンタ博士がへんな歌を歌っているぞ。」 | |
「あまり聞いたことのない曲ですね。モンタ博士,だれの曲ですか。」 | |
「かの有名な超スーパーアイドル『キャンディーズ』の曲さ。」 | |
「キャンディーズ? 聞いたことないな。」 | |
「ところで,上の絵はツクシですね。それから,スギナですね。」 | |
「そうだね。ツクシはかわしらしくて,子どもでも知ってるね。それに,ツクシは,野草料理の材料としても有名なんだ。特有の苦味がいいね。それに対して,スギナは畑の雑草としてこまった存在なんだよ。」 | |
「モンタ博士『ツクシだれの子スギナの子』といわれているんでしょ。」 | |
「そうだよ。スギナとツクシは,もちろん同じ植物なんだ。ただし,ツクシはスギナの子どもではないんだ。スギナというのは,ほかのアサガオやタンポポなど種で増えるの植物とちがって,『シダ植物』といって,『胞子(ほうし)』というもので増える植物なんだ。ツクシというのは,胞子をつくるものであって,普通の植物でいえば,『花』のようなものだね。」 | |
「ふーん,シダ植物か。それじゃ,ふつうの植物はなんていうの。」 | |
「種で増えるから,種子植物というんだ。種子植物には,マツやスギのような裸子(らし)植物と被子(ひし)植物とかがあるんだ。そのうち中学へ行くとくわしく習うと思うよ。ともかく,シダ植物というのは,大昔からある植物だということだけ覚えておいてほしいね。」 | |
「大昔というのは,どのくらい前なの。」 | |
「そうだね,スギナの仲間は,約3億年前ごろに大繁栄(だいはんえい)した植物なんだ。」 | |
「3億年前! そのころの地球って,どんなだったの?」 | |
「シダ植物が全盛でね,30mもあるスギナのお化けみたいのがあちこちに,にょきにょきと生えていたといわれているんだ。」 | |
「ふーん。あんまり私たちには関係ないことのようですね。」 | |
「そんなことないよ。スギナの祖先たちは,あちこちに森を作り,それが,長い年月をへて地中にうまり,長い間に変化して『石炭』になったんだよ。それで,今のエネルギー革命がおこったんだよ。」 | |
「ふーん,なるほど。そして,絶滅した植物もあるけど,スギナは今も生き続けているというわけですね。」 | |
「畑の雑草としてきらわれるスギナは,地面の中のあちこちに根やくきをはわせているんだ。だから,簡単には駆除(くじょ)できないさ。でもね,悪いことばかりではないよ。かつて原子爆弾(ばくだん)が落とされた広島で,真っ先に緑を取りもどしたのもスギナなんだ。熱線を浴び,緑がもどるのに50年はかかるといわれた死の大地に芽を吹いたスギナは,多くの人々に勇気をあたえたのも事実なんだ。」 |
▼モンタ博士のツクシ料理簡単レシピ
レシピその1・・・ツクシのピリからいため
- つくしのはかまを取る。よく洗う。
- フライパンに油を入れて,そのまま入れる。
- ちょっといため,しょうゆ・酒・七味とうがらしを加え,ハイ! できあがり!
レシピその2・・・ツクシのたまごとじ
- つくしのはかまを取る。よく洗う。
- つくしをゆでる。
- なべにしょうゆ・みりん・だしじるを入れ,つくしを入れて味をつける。
- ときたまごを上からかけてふたをして,ハイ! できあがり。
レシピその3・・・ツクシの天ぷら
- つくしのはかまを取る。よく洗う。
- 生のまま粉をつけ,2・3本いっしょにあげて,ハイ! できあがり!