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ねえ,モンタ博士,この前のネギのお話はとってもよく分かりました。それで,私,考えたんですが,ネギというのは人間が育てたもので,そういうのを野菜というんですよね。」 |
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そのとおりだよ。ネギはもともとは,古い時代に中国から伝えられたものらしいんだよ。」 |
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そこでですね,野外の野や山に生えているもので,野菜としてではなく,ほかに何かに利用したものはないんでしょうか。」 |
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いいことを聞いてくれるね。モンタ博士も話したかったことさ。植物の研究というのはね,もともとは薬の研究のためにあったんだよ。」 |
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薬の研究ですか。なるほど,薬という字は草かんむりですね。薬の研究のために植物を調べ始めたのは,どのくらい前からなんですか。」 |
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世界でいちばん古いものは,エジプトのピラミッドの中から見つかったパピルスに書かれたもので,約3500年前くらいかな。中国には2000年くらい前に薬草のことをくわしく書いた『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』という本があったそうだよ。」 |
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えー! そんなに昔から植物のことを調べていたのか。おどろいちゃうな。」 |
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おどろくのはまだ早いよ。何とその本の中には今でも使われているものがあるんだからね。」 |
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ほんとですか。それじゃ,今,私たちがよく飲む薬というのも,もとは植物?」 |
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そうだね,植物は薬の原料としてとても大切なものなのさ。」 |
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ふーん。それじゃ,野原にも薬になる植物というのがたくさんあるのかな。」 |
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あるよ。あるよ。そこらじゅうにあるよ。今から,薬になる植物を見つけに行こうか。」 |
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やったー。ぼく,植物のことを研究して,薬を作る博士になっちゃおうかな。」 |
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あれ? オー君は昆虫(こんちゅう)の博士になるんじゃなかったの。まあいいわ。ところで,どこに行けばいいのかしら。」 |
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